安全保障委員会 令和元年12月5日
「1. 自衛隊の中東派遣について2.トランプ政権からの在日米軍駐留経費の増額要求について3.DSEIについて」
○西銘委員長
次に、重徳和彦君。
○重徳委員
共同会派の重徳和彦です。
きのう、日経新聞のネットニュースを見ていたら、この中東派遣につきまして、多分ちょっとフライングなのかもしれませんが、海上自衛官を中心に二百七十人規模の派遣をする。護衛艦と哨戒機一つずつ、哨戒機はP3Cを活用する。今、アデン湾で海賊対処任務に当たっているP3Cを活用する。これで派遣期間は一年とし、必要であれば改めて閣議決定して更新する案が有力だ。今、濵地委員からあったように、公明党を中心に、期
間を区切らない派遣に懸念が出ていることに対応する。実施計画を年内に閣議決定するといったことが報じられておりましたが、大体この線で検討されているということでよろしいでしょうか。
○河野国務大臣
この件については今検討しているところでございまして、報道は承知をしておりますが、御指摘のような事実はございません。
○重徳委員
それでも、この手のやつは大体そんなふうで進むんでしょうという、経験則的にはそ
んな感じだと思います。この派遣について是か非か、いろいろな議論があると思いますが、とりあえずこんな感じの派遣になるだろうというのがマスコミを通じて示され
ましたので、これをある程度前提にしながら、それでも懸念される点について質問したいと思います。まず一つは、やはり、海上警備行動への切りかえというものが想定されているというのは、これはもう政府答弁で言われているとおりなんですが、これ、いざとなったときにどのように迅速に手続ができるのかというところについては、これはよくよく、まだ検討中なのか知りませんけれども、ここが非常に重要なところだと思いますので、現
地で自衛官の皆さんが、決してその場で、戸惑うというレベルでなく、本当に大きなリスクをかけて活動しなきゃいけないというようなことにならないように、この海上警備行動への切りかえ手続の迅速化というものをぜひ検討していただきたいんですけれども、今のところのお考えがあったらお願いします。
○河野国務大臣
自衛隊のアセットの中東派遣につきましては、今検討しているところでございます。海上警備行動に切りかえることを予定をしているわけではございません。その上で一般論を申し上げれば、海上警備行動については、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別な必要がある場合に内閣総理大臣の承認を得て防衛大臣が発令するものであり、関係省庁で速やかに状況を把握し、迅速に手続を行うことは、これは、そうした場合、当然のことと考えております。
○重徳委員
もうちょっと言うと、閣議というものをちゃんと招集してというそういういとまが本当にない場合にどうするのかというようなことについて知りたかったんですが、恐らく明確な答えはないということを察しましたので、そういう要望を、迅速な閣議決定、そして、総理大臣の承認を得られるような手続をぜひ検討していただきたいということを申し上げたいと思います。それから、やはり、調査研究という一般的な形での派遣というのは非常に心もとないものであります。これは、たとえ海上警備行動に切りかわったとしても、依然として、警察任務的な自己又は他人に対する防護ができる。それから、正当防衛、緊急避難の場合は危害攻撃も想定をされると思いますが、それでも、こうした法的根拠が不足しているというような状況で、現場判断で自衛隊の現場の皆さんが結果的に敵を攻撃するというようなことに至るということもあるのではないか。想定外だったということではいけないと思うんです。それで質問なんですが、自衛隊員が法律の根拠なしに敵を攻撃してしまった場合、これは、法律的にはどのような法律の適用関係、あるいは、処分といいましょうか、その結果責任というものは問われることになるんでしょうか。
○岡政府参考人
お答え申し上げます。
御質問についてあえて一般論ということで申し上げさせていただきますけれども、まず、自衛官の武器の使用ということにつきましては厳格な注意義務が求められておりますので、安全かつ適切に武器を使用できるよう教育訓練もしっかり行っているということで、例えば、認められている範囲を超えた武器使用というようなことは基本的には想定されないというふうに考えているところではございます。ただ、あえて、仮に万が一ということで法的に認められている範囲を超えた武器使用を行った場合、その場合の処分というところも含めてでございますけれども、これは、個別具体的な状況に即して判断をするということになろうかと考えております。
○重徳委員
ちょっと今お答えいただけなかったので更問いをしますけれども、自衛隊法百十八条
一項四号に不当武器使用という規定がございます。これも後の検証ということを経なければわからないんでしょうけれども、差し迫った脅威もないのに敵を撃ってしまった、敵といいましょうか、武器を使ってしまった場合、この場合には一年以下の懲役又は五十万円の罰金という罰則が科せられるわけですが、これが適用される可能性はあるんでしょうか。
○岡政府参考人
御指摘の自衛隊法第百十八条第一項第四号におきまして、正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者について罰則の規定がございます。これは、法律の規定に基づき武器を使用することができる場合においても、さまざまな場合がございますけれども、法律で使用することが認められていない場合、あるいは使用することができる場合であっても、例えば、発射について上官の命令を必要とするのに命令を待たずに発射したような場合など、武器を使用してはならないときに武器を使用したような場合はこれに含まれるというふうに考えているところでございます。
○重徳委員
ですから、そういう規定が適用されるリスクも、本来の法律の整備がされていれば、
安心してというのもちょっと変な言い方かもしれませんが、武器を使用できる場面があろうところを、今のような条文が適用される、罰則が適用される可能性すらあるという状況の中で隊員の皆さんが活動しなきゃいけない。今のこの報道のような方向で検討が進んでいくとそんなことも考えていかなくちゃいけないんだろう、そういうところに問題があるんだろうということを指摘をさせていただきたいと思います。それで、先ほど本多委員から、やはり国会への説明がきちんとなされなければおかしいだろう、これはもうそのとおりだと私は思います。このように報道では既に、期間は一年、更新時には閣議決定、こういうことまで報じられていまして、今のところこれはフライングの報道かもしれませんが、いずれこれが実施計画にきちんと定められて閣議決定されるときが、年内にという報
道ですけれども、ほぼこの方向だとすれば、そういうことなんですよね。
我が国の国会は、通年国会じゃなくて会期が決まっておりますので、閉会中にさまざまなことが起こると、国会議員は、政府内に入っている与党の皆さん以外はちゃんとした場がないわけであります。これ自体、通年国会にするべきだという、私は、国会対策の駆け引きということ以上に、今申し上げたような意味で通年国会に国会のあり方そのものを変えるべきだと考えておりますけれども、それはそれとして、先ほど本多委員から話がありま
したように、国会への説明をきちんと行っていただきたい。そして、閣議決定を行うその前後におきましてはこの委員会の開催を、これは委員長にお願いをしたいと思います。
よろしくお願いします。
○西銘委員長
後刻、理事会で協議します。
○重徳委員
ちなみに河野大臣、これも聞いてもしようがないか。派遣終了時期についてはどう考えているのかというのをちょっと今聞こうと思ったんですけれども、もう答えがわかっていますので、結構です。次にイランの話も聞こうと思ったんですが、その前に、日米関係について茂木外務大臣にお聞きしたいと思います。今回の中東派遣にはさまざま法的な問題点があると思っていますけれども、それから、つけ加えれば、戦闘に巻き込まれるリスクが実際にあるのではないかとか、自衛官の任務遂行上の安全確保がちゃんとできるのか、さまざまな課題について想定し詰めていかなきゃいけないというふうに思っておりますが、それ以前の問題として、そもそも、なぜ今回中東派遣を検討し、そして恐らく実施するということになると思います。なぜしなきゃいけないのかということを考えたときに、イランの核合意からトランプさんが余り戦略性もなく脱退したように見受けられるんです。そこに何かおつき合いをする必要があるのかどうかなんて考えると、まあそこまでやらなくてもいいんじゃないかなんという意見ももちろんあると思います。一方で、やはり我が国は強固な日米同盟を基軸とした安全保障政策をとっておりますので、一定の配慮は、そうは言っても、アメリカに対してする必要があるのではないか。こういう立場に立ちますと、今までたしか政府の説明では、有志連合に別に参加するわけではない、そして、日本の独自の判断として、調査研究のために自衛艦派遣、船と飛行機の派遣を検討す
るんだというふうにおっしゃっていますが、しかし、今回の派遣を通じて日米の信頼関係が少しでも高まるものになるんだとすれば、それはそれで一つの理ではないかというふうに思うんです。茂木大臣は外務大臣として、今回の中東派遣、日米同盟を基軸とする日本外交における意義をどう捉えておられるか。お答えください。
○茂木国務大臣
中東地域は地政学的にも要衝に位置をしておりまして、世界経済を考えてもこの地域の安定ということは極めて重要でありますし、日本にとりましても、原油の八割以上をこの地域から依存する、こういう地域であります。この中東におけます航行の安全を確保するためにも米国とはこれまでも緊密に連携をしてきたわけでありまして、九月の日米首脳会談においても、中東における緊張の緩和と情勢の安定化に向け、引き続き日米両国で協力することで一致をいたしております。自衛隊のアセットの派遣につきましては、現在、
防衛省を中心に検討中でありますが、いずれにしても、どういった形で派遣をするということになったにしましても、日本としてこの地域の情勢の安定化等々について対応していく、そしてそこの中で米国と連携をしていくということにつきましては、日米同盟、こういう大きな枠組みの一環としても意味のあることだと思っております。
〔委員長退席、長島委員長代理着席〕
○重徳委員
そういうことも含めて、法的問題点はいろいろあるんですが、今回の意義については、
そのような説明をされるのも一つかなというふうに私は思っているところであります。賛成する人ばかりじゃないとは思いますけれども、そういったことも考慮に入れて検討しているんだということは必要に応じて訴えていってもいいのではないかな、そんなふうに思っております。ここでちょっと法制的な話をさせていただきますが、平成二十七年、安保法制の審議があったときに、ホルムズ海峡が機雷封鎖されて石油が途絶される、そうすると日本の国民生活が根底から覆されるということで、存立危機事態に陥ることがあり得る、したがって、ホルムズ海峡への機雷掃海派遣、これは憲法上禁じられている海外派兵の例外であるというような説明があり、ホルムズ海峡への機雷掃海というのは存立危機事態の一環として新三要件に当てはまる場合もあるという話がありました。それで、そこまでやる必要があるのかという議論で大変話題を呼んだわけなんですけれども、今回のこの中東情勢が仮に悪化していったとした場合に、そして存立危機事態だというふうな認定に
なった場合に、機雷掃海だけじゃなくて、船とか哨戒機を出すわけですから、そこで、外国籍の商船の護衛のためとかいろいろな目的のために危害攻撃をするということがこの法律上認められていることなのかどうかということについて確認したいと思います。
〔長島委員長代理退席、委員長着席〕
○槌道政府参考人
まず、海外派兵について、先生御指摘がありましたように、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣する、これがいわゆる海外派兵でございます
けれども、これは一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されない、このように解されている。これはすなわち、武力行使の三要件には論理的に当たらないというのが一般的だからでございます。他方、存立危機事態におきましても、基本的には、武力の行使は公海及びその上空で行われるというふうに考えられております。
繰り返し過去答弁されていたのは、このホルムズ海峡の機雷掃海、これについては、ホルムズ海峡の地理的特性や機雷掃海の特殊性、こういうものを踏まえまして、武力行使の三要件に当たり得る場合があり得るということだったと思います。当時も繰り返し御答弁があったように、存立危機事態の場合に、外国における武力行使が起こり得る場合として、ホルムズ海峡の機雷掃海のほか、現時点におきましても、個別具体的な活動においてもございません。いずれにしても、今回の検討に関して言いますと、自衛隊が武力の行使を行うということを何ら想定しておりませんので、この海外派兵が問題になるようなケースというのは想定していないところでございます。
○重徳委員
済みません、法制的にお聞きしたいものですから、実際問題あるいは現状想定される
ものではないということではなくて、そういう意味で、法律上の適用があり得るかどうかという一般論でいいんですよ。機雷掃海はあのとき審議ではしきりに一例とされましたけれども、その他のものとして、今回のと言うとちょっと生々しい話なので、そうじゃなくて、存立危機事態においては本当に機雷掃海しかできないのか、場合によっては自国船あるいは外国船の護衛のために危害攻撃をするということが含まれるのかどうか。お答
えください。
○槌道政府参考人
平和安全法制を御審議いただいた当時、存立危機事態の事例として政府から御
説明させていただいたものとしては、ホルムズ海峡での機雷掃海のほかにも、例えば、我が国周辺での弾道ミサイルの対処を行います米艦を防護するようなケース、そのような点を御説明させていただきましたが、いずれにいたしましても、海外の領域における武力の行使について言いますと、先ほども御答弁したとおり、ホルムズ海峡での機雷掃海のほかに具体的な活動として想定されるものはないと考えてよろしいかと思います。
○重徳委員
機雷掃海以外にないとまではおっしゃらなかったので、想定されないというところに
若干含みがあるとも聞こえますし、これは具体的なことが起こってみないとわからないというのは事実かもしれませんので、そこはまたもうちょっと、後ほど詰めていきたいというふうに思っております。ところで、今のように集団的自衛権というものが限定的ながら新三要件という形で認められたというのが平成二十七年の安保法制、平和安全法制というんですが、でありますが、こういったことを一つずつやはり日米同盟をより強化するためにやっていくんだということであれば、先ほど来、トランプさんもいろいろなことを言っているという話の中でもありますように、今までどおりアメリカは日本を守り続けてくれるんだという前提に必ずしも立てない時代がやってきたということだとすると、こういった集団的自衛権、限定的ではあるけれどもできるようになりましたよという話については、例えばトランプ大統領にそういう話というのは日ごろからアピールしたり、日本を守
るためですけれども、日米がチームとなって果たせるその日本の役割というのがふえたんだというようなことはアピールはされているのでしょうか。
○茂木国務大臣
我が国を取り巻きます安全保障環境、厳しさを増している。
例えば、北朝鮮の核、ミサイルの開発、これは間違いなくその能力を向上してきている。多弾頭化であったり燃料の固形化であったり、さまざまな意味でこの核、ミサイルの問題があります。さらには、中国の透明性を欠いた軍事力の強化であったりとか、東シナ海そして南シナ海における、力を背景とした一方的な現状変更の試みもあります。
さらに、大量破壊兵器等の拡散や深刻化するテロの脅威という問題があります。
そしてまた、サイバー空間そして宇宙空間など、新たな領域におけるリスク、課題というのが顕在化する。こういったさまざまな要因によりまして、我が国を取り巻きます安全保障環境、厳しさを増していると考えております。こういった認識のもとで、我が国としても、昨年、防衛大綱の見直し、これを行ったところでありまして、みずからを守る体制、これを主体的、自主的な努力により抜本的に強化し、みずからが果たし得る役割の拡大、これを図ってきたところであります。特に言及ございましたが、平和安全法制の成立、
これによりまして日米の連携はより緊密になってきておりまして、こういった日本の取組、どう取組を進めているかということにつきましては、安倍総理からトランプ大統領に対して、また、さまざまなレベルにおきまして累次説明をしてきております。
○重徳委員
トランプ大統領から、在日米軍駐留経費のいわゆる思いやり予算、日本はもっと増額
せよ、こういうような話も出てきて、次々といろいろと要求をされるんですが、そこに対抗というか、ちゃんとやることやっているぜということを主張していくのは重要なところだというふうに思います。それから、防衛装備品の話で本多委員から、これはDSEIといいまして、防衛装備品展示会について言及がございました。ことし、日本では、というか、英国以外では初めて日本で先月幕張メッセで開催された国際的な展示会なんですけれども、私からは若干ちょっと違う切り口から質問をしてみたいんです。FMS、爆買いだ、これは確かに問題だと思うんです。なぜならそれは、余計な金を払わされるとか、まして未納入が三百四十九億円ですか、そんなにあるというのも、会計検査院を通じての数
字は今の議論で初めて知りましたけれども。それで四千億円、金目もそうだし、それから技術も日本には残らないという話でありますので、やはりここは、本当は武器なんて少ない方がいいんです、本当は世界じゅうが平和になった方がいいというのは当たり前なんですけれども、そういう段階では今残念ながらないわけですから、であれば、アメリカから言い値で買わされたり、それから、その割に技術は全部他国に依存するわけですから、
こんな情けない状態じゃなくて、国内の防衛産業をもっと底上げをして、そして、低コストで調達できるようなそういう環境をつくるべきじゃないかということが私の主張でありまして、そのために業界を再編すべきだという話もさせていただいてまいりました。
ここでそのDSEIの意義はどうかとお聞きしようとも思ったんですけれども、これはもう、意義はあるものだと先ほど本多委員に対しても大臣答えられていました。
逆に、本多委員の質問にお答えにならなかったことなんですけれども、そして、私も確かになと本多委員の質問を聞いて思ったのが、紛争当事国とかいろいろな人達の取引の場になり得るという、やはり一般国民の方は懸念を持っている方はいると思うんです。だけれども、そこは何らかの形でちゃんと説明していかないと、私だってこんなことを言いづらくなっちゃうということもあるんですが、そういう観点で、河野大臣、何かコメント
はありませんか。
○河野国務大臣
こうした展示会は、我が国の防衛装備品あるいは技術を発信する場でもありますし、諸外国の防衛産業における先端的な技術に触れる機会でもある。そういう意味で、国内の防衛産業の技術力向上のために、諸外国の防衛産業との連携を可能にする、いわばきっかけを提供する場でもあるんだろうというふうに思っております。
御指摘のようなところが全くないかと言われれば、それはそうではないのかもしれませんが、こうした防衛装備品の展示会というのはもう広く世界じゅうで行われているわけでございまして、私としては、むしろ、こうしたものが国内で行われることによって、日本の防衛産業の、委員おっしゃるような再編とまでいくかどうかわかりませんが、底上げ、技術力の向上に資する、そうしたメリットの方が大きいものではないかと今の時点では思っております。
○重徳委員
河野大臣が、前、ニュースでちらっと見たら、経団連の幹部の方とも防衛産業について意見交換されているそういうお姿も拝見しておりましたので、そこにお力を入れていただいているというのは本当にありがたいことだと思っておりますが、簡単に言えば悔しいんですよ。何か、日本というのはこれだけ技術があって経済力もあるのに、何で爆買いなんて言われなきゃいけないような状態に今陥っているのか、こういう思いが感情的には私はそんなことを思っている次第です。何が物づくり日本だというような思いがあるわけでございます。ちょっと時間の関係で最後にまとめて茂木外務大臣からお答えいただきたいんですが、来年春には習近平国家主席が来日される。そして、国賓として扱われるのかどうかということも異論がやはり出つつあるところでありますけれども、今回の香港区議会議員選挙の結果、民主派が圧勝しました。また、アメリカでは香港人権・民主主義法が成立をして、トランプさんもサインをしました。さらに、ウイグルの人権問題についてもアメリカからは、ウイグル人権法案というんですか、というものが下院は通過したということでこれから審議待ちというような状態になっておりますが、こういったことを外務大臣としてどのように日本国として評価、見ておられるかということと、そのついでにお聞きしたいんですが、国賓待遇で今の状態のまま受け入れるということが果たしてできるのかどうか。今月の二十三から二十五日には安倍総理も訪中されます。首脳会談も行われます。
何も言わずにそのまま国賓扱いなんでしょうか。そのあたりも含めてお考えがありましたら、御答弁いただきたいと思います。
○茂木国務大臣
政府として、国際社会におけます普遍的な価値であります自由、基本的人権の尊重、法の支配、こういったものが中国においても保障されるということは重要だと考えております。その点は、さまざまなレベルで中国政府に対してもしっかりとお伝えをいたしております。昨今の香港情勢、これは大変憂慮している状況に変わりはございませんで、我が国として、この点についても、自制と、平和的な話合いを通じた解決、これを関係者に求めてきているところでありまして、事態が早期に収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待をいたしております。また同時に、新疆ウイグル自治区、御案内のとおり、さまざまな歴史を経てきた地域でありまして、この新疆ウイグル自治区におけます人権状況
についても、関心を持って状況を注視しておりまして、我が国の立場について、また、
さまざまなレベル、機会に中国側に伝えてきておりまして、先月、王毅国務委員兼外交部長が訪日した際にも、私からその点は伝達をしたところであります。
日本と中国の間、首脳間の往来等々を通じて正常な軌道に戻っておりますが、一方でこの香港の問題もあります。そしてまた東シナ海の問題もあります。そして邦人の拘束事案、こういった問題もあるわけでありまして、しっかりした意思疎通を図る中で一つ一つの課題を解決していくということは極めて重要だ。習近平国家主席が訪日されるための環境整備といったことも、しっかりと進めていきたいと思っております。
○重徳委員
いろいろとまだ言いたいことはたくさんあるんですけれども、特に中国との関係につ
いては、非常に難しい問題であることは皆さん重々承知だと思います。また引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。