○富田委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 日本維新の会の重徳和彦です。
安倍内閣きっての改革派大臣の茂木大臣にお時間を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。
きょう、維新の枠で九十分いただいておりますので、その枠の中で、多少、私、延びるかもしれませんけれども、中で調整いたしますのでどうかお許しいただきたいと思います。
さて、きょうのテーマですが、電力システム改革が社会を変えるのは間違いない、しかしながら、茂木大臣がおっしゃる、戦後六十年続いた地域独占体制を抜本的、歴史的に見直す、この大改革、これ以前に、比較的容易に、今の役所のをちょっといじるとか、縦割り行政をちょっと連携をとることでやれること、あるいはやるべきことというのは幾らでもあるんだということをお話ししてみたいと思います。
きょう午前中に、私が生まれた豊田市を視察していただいた、そして八木先生の御指導をいただいておりました豊田市を視察いただきました大見正委員の御意見、全く私は同感でありまして、潜在する新規参入事業者の可能性を最大限引き出さなければ、電力システム改革の名に値しないのではないか。後ほどお話しいたしますけれども、大見先生の安城というのは日本のデンマークと言われておりまして、環境首都とも言われております、農業のバイオマスの可能性を非常に秘めた土地だと思っておりますし、同じ三河地域の選出議員として、大変誇りに思っておる地域でございます。
そういう意味で、こういういろいろな地域の可能性を最大限引き出すために、今回の大きな大改革の前にやるべきことがいろいろあるんじゃないか。小泉元総理の郵政民営化の総選挙のときの言葉をかりれば、その程度の改革ができなくてどうやって日本を変えることができるのか、電力システム改革が進むのか、こういったようなテーマではなかろうかと思っております。
前置きはそのぐらいにいたしまして、まず、私、四月三日にここの委員会におきまして質問をさせていただきました。街区間の電力融通の制限の解消についての質問の、そのときの議論のおさらいをまずさせていただきたいと思います。
その少し前に、参考人として御意見をいただきました小宮山宏元東大総長の小宮山ハウス構想の実現についてでございます。
小宮山ハウスで屋根の上に太陽光パネルを張ったり、燃料電池で発電した電気を、御本人、御自宅で使わない時間帯については近所の家にも融通する、シェアするということが今の法律上できないんじゃないか、こういうプレゼンテーションがございました。本当に電気事業法を改正しなくちゃいけないのかどうか、役所の皆さんとも一緒に検討いたしました。
簡単に言うと、これはおさらいなんですけれども、現行法上、特定供給という制度がございます。この制度は、本来は、コンビナートの中のある工場に設置したソーラー発電による電気を、同じコンビナートの中の資本関係にある他の工場との間でシェアする、あるいはマンションの屋上に設置したソーラー発電を、マンションの中に住んでおられる方々と組合をつくって、その組合を構成する全戸でシェアする、こういう内輪向けの制度が特定供給だというふうに御説明がありました。
ところが、この制度を前提に考えると、小宮山先生の構想を実現するには、小宮山さんのお宅と町内会の他の住民のお宅が組合をつくるか資本関係になければならない。資本関係なんかまずあり得ないわけですから、組合が必要だ。これは、経済産業大臣の御許可があればできるということなんですが、問題は、この要件が非常に厳しい。
しかし、それは法律上厳しいわけではありません。この許可要件を示した経済産業省の規則があるんですけれども、つまり大臣許可の要件ですね。この規則の下に審査基準というのがあるんです。そこにどう書かれているか。
「当該供給能力により当該需要の五割以上に応ずることが可能であり、かつ、一般電気事業者又は特定規模電気事業者から電気の供給を受けることにより当該需要に応ずることが可能である場合」。
聞いているだけではわからないような文章ですけれども、要は、小宮山ハウスに町内会全体の総電力需要の五割以上の供給能力がない限り許可できない、これが経産省の、内部規定みたいなものですね、審査基準で定められている。
長くなりましたけれども、この要件について、前回の長官の御答弁の中で、つい最近、一〇〇%を五〇%に引き下げたという規制緩和の御説明がありました。しかしながら、なぜ五〇%なのか。なぜ四〇、三〇、二〇、一〇じゃないのか。一〇に引き下げても、まだ、なぜ九%じゃだめなのかという話になってしまいますので、その比率を決めているうちは、この議論は延々と果てしなく続くのではなかろうかということでございます。
それで、一〇%しか小宮山ハウスから供給できないとなった場合にも、必ずこれは東京電力さんなりからの残り九割分の電力を供給する契約をきちんと締結して安定的に電力を供給できる体制をつくることを条件に大臣が許可を出せばいいだけの話なんですから、たとえ九%でも、九一%はちゃんと契約して、それでも不安定だと判断すれば不許可だというふうにすればいいだけなんだから、やはりこれまた必要のない規定ではないかということでございます。
午前中の大見委員の豊田市の事例も、電力を融通する、電力が余る、こういう状況の調整が必要だという御意見がありました。まさにそのとおりだと思います。
大変僣越ながら、茂木大臣から前回、「御指摘は、大切なポイントだと思っております。しっかりと検討させていただきます。」と御答弁をいただきました。これにつきまして、どのように御検討いただいたのか伺いたいと思います。
長くなりまして、済みません。
○高原政府参考人 お答え申し上げます。
特定供給は、委員御指摘のとおり、自家発あるいは自家消費に類する供給行為であるということから、料金規制や電気の品質の維持を求めることなく、需要の五〇%以上の自己電源保有を要件に、例外的に一般電気事業者以外の方々にも一般家庭を含む需要家への供給を認めているものでございます。
御指摘いただいた後、いろいろ検討を加えました。実際に具体的なプロジェクトを研究中の、あるいは検討中の方々からいろいろなお話を伺いました。現行制度の枠の中で、自己電源比率につきまして、実質的な負担軽減につながる方策、これを検討してまいりました。
具体的には、特定供給を検討する事業者の方々との協議も踏まえまして、例えば、みずから電源を保有しなくても、特定の電源との契約によって需要家への電力供給が確実であれば自己電源とみなす、あるいはまた、太陽光など自己電源の出力が不安定でも、蓄電池と組み合わせることによりまして一定量の自己電源とみなす、あるいはまた、燃料電池につきましては自己電源とするといったようなことを含めまして、自己電源についての考え方を明確化したガイドラインの作成に直ちに着手いたしております。可能な限りこれを速やかに実施したいと考えております。
以上でございます。
○重徳委員 すばらしい御答弁でした。昨夜、事務方から聞いた説明よりもさらに一段とブラッシュアップされた御答弁に感謝を申し上げます。さすが大臣のリーダーシップだと思っております。
これなら、個人事業者が、小宮山先生というもうどえらい先生じゃなくても、普通の個人事業者の参入障壁が非常に低くなって、先般から維新の会それからみんなの党、きょう、いらっしゃいませんけれども、各委員が心配しております起業しづらい国日本の解消に向けた第一歩を、これは電力改革をきっかけに踏み出せるのではないか、僣越ながら、このように非常に高く評価をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、ちょっと気をよくして次の議題に入らせていただきます。
きょうは、バイオマスについて議論をさせていただきたいと思います。
私、長年一緒に行動してきた、私が青森県庁に赴任していたころからの民間人の知人や仲間も大勢いるんですが、そういう仲間がもう十数年前から、青森とか北日本の方を舞台にエネルギー立国あるいは立県ができないかという話をずっと議論してまいりました。
それで、青森だけじゃないので、最近、開成という新潟県村上市の会社がメタン発酵施設に発電を導入したという話を聞きました。これは経産省の皆さんなら当然御承知のとおり、バイオガスのフィード・イン・タリフの認定第一号で、去年の十月からでしょうか、系統連系して送電が開始されたということでございます。
ここのすばらしいところは、特定の企業を持ち出して大変、私もちょっと直接面識がない企業ですので、聞いた話では、ガスの取得後の消化液があるんですね、つまり液体が出る、これが大変高ミネラルの液肥で、これをまくと米の収量が一九%アップする、つまり、TPP対策にもなるのではないかというような話もございます。こういったバイオマスの副次的な作用も非常に多くございます。
こういう企業がどんどん出てくるような社会づくりのためのシステム改革でなければならないんじゃないか、私はそう思います。ところが、問題は縦割り省庁の規制なんですよ。
ことし四月の環境新聞という新聞の記事によりますと、この会社がメタン発酵施設にごみとか堆肥とかそういうものを集めるわけですが、この容量は一日当たり四・九トンなんですよ。四・九トンというと、五トンだから五千キログラムですから、大体、私の感覚では議員会館の四分割した部屋の一つぐらいじゃないかなと思うんですけれども、一日に集める容量は四・九トン。本当はもっと大きくできるというんです。ところが、本当はどれだけでもできるのになぜ四・九トンかというところに謎がございます。
これはなぜそこに境目があるのでしょうか。環境省の方ならおわかりになると思うんですけれども、御答弁をお願いします。
○梶原政府参考人 その事業者さんの方がなぜ四・九トンにされたかということ自体は私はよくわかりませんが、制度上、一日の処理量が五トンを超える一般廃棄物の処理場、これは今回の、先生が御指摘のバイオガス施設もごみ処理施設も同様でございますけれども、五トン以上の一般廃棄物処理施設を設置しようとする場合におきましては、廃棄物処理法に基づきまして、都道府県知事及び、場合によっては、権限がおりている場合は政令市の市長さんの許可を受ける必要があるとされております。
一方、五トン以下の場合はそういったような許可を要しないということでございます。
○重徳委員 皮肉を言うわけじゃないですけれども、今、県知事さんとか市長さんとおっしゃいましたけれども、その法律を所管している省庁はどちらですか。
○梶原政府参考人 環境省でございます。
○重徳委員 もう答えを言いますと、廃掃法による規定ですね。
五トン以上だと、要は、皆さん御存じの議員会館の一室ぐらいのところにごみを集めたら、業として集めますので議員会館に集めることはないんですけれども、その後、燃やそうと、破砕というんですか、壊したり、それからメタンガスを出すために発酵させようとも、それはともかく、ごみを集めて業として何かをやる上では廃掃法上の五トン以上の許可が必要だということでございます。
これも事前にちょっとお聞きしたところによりますと、さらに、これは焼却する場合にはもう一つ許可が必要になりますね。それはよろしいでしょうか。その焼却施設、集めたごみを燃やすときの許可。つまり、破砕とか発酵させるときには特段そのほかの許可は必要ないですけれども、それを燃やす場合には許可が必要ということですね。
○梶原政府参考人 許可としては一本でございますけれども、許可要件のところ、許可が必要なものという形になりますと、先ほど言いました五トン以上という話と、あと、焼却炉の場合は火格子面積の大きさが許可要件で決まっております。
済みません、ちょっとストレートにお答えしていることになるのかどうかわかりませんが、通常、一般廃棄物の処理を行う場合、業としての許可というものも別途必要になると思います。
○重徳委員 それでは、燃やす方の許可はともかくとして、なぜ五トンか、その根拠はありますでしょうか。
○梶原政府参考人 五トンにつきましては、ある一定の大きさのものを集めてきますと生活環境保全上の支障について懸念が生ずるということで、どこかで線を引かなくちゃいけない、その観点で、これまでの経験上、五トンということで整理をしているということでございます。
○重徳委員 御経験というのは、生ごみを集めたら今までは燃やすだけですから、発酵させてメタンガスを出して発電に使うなどということは、恐らく、これまでの御経験上は想定されていなかったと思うんですね。ですから、この五トンで線を切るというのは、今回の電力システム改革においては必ずしも合理性があるとは私は考えません。
こればかり言っていてもあれなのですが、では、五トンを超えると、ちょっと私、今聞き逃したかもしれません、許可が必要なのはわかりましたけれども、許可を得るために何が必要になってきますか。
○梶原政府参考人 許可を取得するに当たりましては、施設の構造上の基準を満たすだけの施設であることが必要であるほか、そのときに、あわせて生活環境影響調査という調査をやっていただいて、実際のところ、例えば、その施設を設置することによりまして周辺の環境に与える影響、変化の程度、変化の及ぶ範囲、あるいはその影響の程度について書いた図書をあわせて出していただくことになってございます。
○重徳委員 一言で言うと、環境アセスメントということでよろしいでしょうか。これは、全部まとめてアセスメントと呼ぶのでしょうか。今、構造上の基準、生活環境影響調査、それからいろいろな図書と言われましたが、これをまとめてアセスと呼んでよろしいのでしょうか。
○梶原政府参考人 まず、構造基準に適合していただくというところについては、通常、アセスとは呼んでおりません。先ほど言いましたように、生活環境影響調査というものの図書を出していただくということの部分をアセスと呼んでおります。
ちなみに、環境影響評価法というのは、別に法律がございます。これは、非常に大規模な施設について、事業者さんにいろいろな情報公開をしていただいて一般の方々に意見を聞くというシステムでございますけれども、この廃棄物処理法に基づきます生活環境影響調査につきましては、そういう図書を申請者の方に出していただいた後は、環境影響評価と違いまして、許可権者、知事が多うございますけれども、知事がその図書を公告縦覧の手続にかけまして意見を聞く、許認可権者側がそれを行うというシステムが大きな違いでございます。
○重徳委員 わかりました。
そうしますと、恐らく、事業をやろうとして、業として生ごみを集めて、その集めるということに入るまでにどのぐらいの期間とか労力、これは私の想像でいいますと、構造上の基準とアセスは違うとおっしゃいましたけれども、しかしながら、例えば、悪臭がするとか、粉じんが舞うとか、振動が起こるとか、構造上密閉しなきゃいけないとか、そういうことは当然いろいろ出てくると思うんです。
仮に、安易に、議員会館の一室ぐらいの大きさの箱をつくって、ここにみんな捨てればいいよと思ったら、物すごく悪臭が出るからふたをしろとか、塀をつくれとか、水が浸透するとか、何かいろいろ言われて、それで断念に追い込まれるということもやはりアセスをやるとあるのではないですか。あるいは、やらなきゃいけないんだから金をもう何千万積めとか、そういうことは具体的にはございませんか。ちょっと自治体の話かもしれませんが。
○梶原政府参考人 まず、どれぐらいの期間とどれぐらいの負担がかかるかということでございます。
実は大規模なものをつくった事例というものが少のうございますので、私どもの持っている情報からちょっと申し上げますと、一つ、六十五トンぐらいの大きさの炉をつくった例がございます。この場合は、先ほど申し上げました生活環境影響調査、その調査に要した費用としましては大体五百万円ほどかかり、期間は一年半程度かかったと聞いております。
ちなみに、この事業は、市町村の有する施設なんですが、PFIで民間の方に維持管理をしていただいて、事業費としては大体十九億円ぐらいの事業費のケースでございます。
○重徳委員 ちょっと通告とは順不同になりつつありますけれども、私、打ち合わせでは、ちゃんと十トンの場合はどうだとか二十トンの場合はどうだとお聞きする予定だったのが、すっ飛ばしてしまって済みません。
私の聞いている範囲では、電力、これは言葉がちょっと足りないかもしれませんが、百キロワットの施設をつくるために大体十トンのごみが必要である。つまり、二百キロワットのために二十トン。十トンということは議員会館の部屋二つ分、二十トンということは個人の部屋全部ぐらいですか、そういうことだと思うんです。
それで、今十九億の例を出されましたが、その会館の部屋二つ分ぐらい、つまり十トンで二億五千万という数字を聞いております。それから、二十トンになると四億円という数字を、まあ一例ですからね、立地とかいろいろ条件が違うと思いますが、この相場観については違和感がありますか。
○梶原政府参考人 私どもがつかんでおりますコスト感覚も大体同じようなものでございまして、先ほど申しましたように、数はそれほど大きいわけではありませんが、生ごみの処理能力一トン当たり、幅がありますけれども、大体一千万から六千万ぐらいの程度に入っておりまして、先ほど先生御指摘の二千五百万というのは、ちょうど真ん中ぐらいになります。十トンにいたしますと一億から六億ということでございますから、二・五億というのはその真ん中ぐらいの数字になると思います。
また、先ほど先生がおっしゃられたように、一キロワットの電気を発電するときに、大体、その十分の一ぐらいの生ごみを使いますので、その点も先生のおっしゃるようなところが普通の相場だと思っております。
○重徳委員 ありがとうございます。
ほぼ相場観としては違和感がないと思うんですが、今、実は十トンで二億五千万と言いました。二十トンで四億と言いました。倍しないんですよね。つまり、当たり前ですけれども、スケールメリットが働くわけです。だけれども、当然、発電容量は二倍になるわけですから、回収できるわけです。だから、大きい方が回収できる、小さいと回収しづらい、当たり前のことですけれども。
それにもかかわらず、今の廃掃法では、五トン以下じゃないと大変なアセスの手続がかかるよという規定になっているということを一つ指摘しておきたいと思います。
そして、恐らく、アセスをかけたら、今はそれなりに体力のある会社がPFIでやられたという事例でしたので、五百万、一年半もったかもしれませんけれども、開業するまでに一年も二年も待たされて、追加が五百万で済むならまだしも、小規模事業者にとっては相対的にもう少し大きな負担になるケースも出てくるんじゃないか。これはもう勝手な推測ですけれども、全然ちゃんちゃらおかしいという話だったら御指摘いただきたいんですが。
○梶原政府参考人 廃棄物を扱う場合、私ども、いろいろなところで、例えば役所の方でも、自治体の方でもつくりますし、国の方でもいろいろつくるということで、非常に、例えばごみの焼却施設でありますと下手したら十年はかかるとか、そういったような苦労もさせていただいております。
したがいまして、非常に、迷惑施設という形で捉えられるものですから、そういった苦労というのはあるということでございます。これは大変な苦労だと思っております。
ただ、片方で、そのときに、住民の方々に御理解を賜るという意味では、そういったような生活環境調査みたいなものがあった方が御説明しやすい、あるいは御理解を賜りやすいという面もあるということもございます。
○重徳委員 真摯な御答弁、本当にありがとうございます。
その辺の実情というか、それは私も全く知らないわけではないつもりでございますけれども、当然、迷惑施設ということであれば、住民の反対は大きいし、いろいろな影響が出ることもないよという説明をしていかなければ到底立地できない。これは時間がかかることもわかります。しかしながら、今回のテーマはごみ処理場ではなくてバイオマスの発電なんです。
そうすると、さっきの小宮山ハウスほど住宅地にやれる話かどうかは別といたしまして、一体、生ごみバイオマス発電施設は、どこに立地すると民間事業者がどんどん参入できると思われますか。これはどなたがお答えになりますでしょうか。
○梶原政府参考人 これは極めて私見ということになると思いますけれども、バイオマス発電の場合、どのバイオマスを原料にするかにもよると思いますけれども、例えば生ごみの場合は、都市部の真ん中にというのはなかなか難しゅうございます。
特に、生ごみを持ってまいりますと、収集運搬の際、トラック等々を用いますけれども、できるだけ密閉型のものを持ってくるとはいえ、悪臭等がいたしますので、皆様方にはやはり嫌われるということがございます。そういうこともありますので、できれば、余り住宅街とかそういったようなところではないところでつくられる方がいいのではないかと思います。
それと、バイオマス発電も含めまして、バイオマスの利用につきましては、関係省庁協力をして、バイオマスの促進計画というものをつくってございます。それに基づいて、二〇二〇年には生ごみ等バイオマスの利用を四割ぐらいに上げていくということで、農林省、経済産業省を初めとした関係省庁と協力しながら進めている次第でございます。
○重徳委員 それから、もう一つ指摘しなければならないのは、生ごみですから、東京都のごみ収集というのは、燃えるごみ、生ごみ、全部一緒くただと思うんですね。だけれども、これは例えば私の実家がある豊田市では、物すごく細かく分別していて、金属ごみは、レアアースとか都市鉱山、そういうふうな言われ方をするんですが、そこまで分別をしているんです。
豊田市というのは、八木先生が一番御存じですけれども、何をやっても、どうせ金持ち豊田市だからできるんだろうと言われるんですが、これはむしろ焼却炉とかいろいろなところに負担をかけない政策であります、住民に負担を強いているわけですから。豊田市の政策というのは、一概にそんな金任せの政策ばかりではないと前々から私は思っていたんです。
一方で、東京はなぜそうか。これも大変失礼ながら、やはり移動する人たちが多いので、地域に根差したルールになかなか適応できないというか、東京にいると、何となくぽいぽいどこにでも捨てて、ずっと住んでいる方は別ですよ、ぽいぽい捨てる。(発言する者あり)そんなことないですか。失礼しました。済みません、ちょっと言葉が。申しわけありません。
ですけれども、逆に言うと、やはり地域コミュニティーがしっかりしていなければ、そういう分別はしっかりできないということでございます。
ですので、豊田に限らず、愛知県内はどこでも、やはりそれなりの田舎ですから、コミュニティーがしっかりしているんです。だから、コミュニティーのしっかりしている地方でこそ、この生ごみバイオマス発電というのは非常に可能性があるのではないかというふうに私は考えております。
ちなみに、生ごみの処理の費用負担は、これも仄聞した話ばかりで確認を求めて恐縮なんですが、大体、ごみ収集車が焼却場に持っていくのが通常トン当たり一万円ぐらい。これは相場としていかがでしょうか。
○梶原政府参考人 収集運搬という意味においては、収集運搬関係は、全国平均でトン当たり大体五千円ぐらいかかってございます。さらに焼却を入れますと一万円ぐらいかなとは思いますが、埋め立てを入れるともう少し高くなるのではないかと思っております。
大変恐縮でございます。手元に今数字がないものですから、うろ覚えの数字で恐縮でございますが、そんなところではないかと思います。
○重徳委員 唐突な質問で済みません。
それでは、全然桁が違うということはないということで進めさせていただきます。
そうすると、ごみを収集した工場で発電をする、これは今でもよくある話です。市がやっていたりします。その一方で、今議論している生ごみバイオマス発電というのは、一旦発酵させて、そのバイオガスを燃やして、それでタービンを回して発電ですから、当然、発電の方法は違うんです。しかしながら、地域住民からすれば、通常の角に、お父さんが朝出るときに持っていったり、その後、奥さんが追いかけるように持っていく、そして、それを収集運搬業者が運んで、その運び先がかわるだけだと思うんですね。
これ以上のコストは、恐らく、行政とか市役所とかじゃなくて、参入しようとする民間事業者が負担することになるのではないかと私は思っておりますが、その違いはいかがでしょうか。生ごみ発電とバイオマス発電。
○梶原政府参考人 収集運搬のところでございますけれども、こういったような廃棄物についての有効利用は、まず入り口で分けるということが、今先生がおっしゃられるように極めて重要でございますので、生活者でございます住民の方々の御協力が不可欠でございます。
ただ、一点、ビジネスとして廃棄物の、バイオマスの有効利用をする場合は、一戸一戸の御家庭から出てくるものもぜひお願いしたいわけでございますけれども、まとめて出てくる場所もございます。例えばレストランでありますとか、食品工場でありますとか、そういったような食品廃棄物。そういったところからある程度の固まりのロットで出てまいりますので、ビジネスとしてはそういったようなことをするのがやはり成功していくのではないかというふうに考えております。
いずれにしましても、収集運搬の部分につきましては、先ほども言いましたように、全国なべて、平均して五千円ぐらいかかっているところでございますので、ここの分については、市町村が収集の回数をふやすことなく他の方が持っていただけるというのは、市町村の負担の増にはなりませんので、ありがたい話にはなると思います。
○重徳委員 ありがとうございます。
それでは、参入しようとする事業者に話を移したいと思うんです。
先ほどの話で、生ごみバイオマス発電に入ろうとする方が、例えば同じ百キロワットの容量で、初期投資は二・五億円、十トン、稼働率七〇%、こういう仮定を置いたときに、太陽光の場合は、百キロワットのときにどのぐらいの稼働率でどのぐらいの初期投資が必要でしょうか。
○高原政府参考人 今、買い取り制度がございます。太陽光発電につきましては、買い取り価格は一キロワットアワー当たりで三十七・八円、買い取り期間は二十年でございます。これは二十五年度に新規参入された方でございます。
太陽光発電につきましては、設備利用率は大体一二%と置かせていただきますと、今御下問の百キロワットというふうに想定をいたしました場合に、年間の売電収入は大体約四百万円というふうに考えるところでございます。
○重徳委員 今お聞きしたのは次の答弁なんですけれども、初期投資がお幾らか、太陽光発電を百キロワットと想定したときの規模で考えると、太陽光発電、幾らぐらいの投資でできるか。
○高原政府参考人 大変失礼いたしました。
初期投資費用でございますけれども、バイオガスが百万円から六百万円ぐらい、それから太陽光が二十万円から四十万円ぐらい、これは両方ともキロワット当たりでございます。
百キロワットの設備に換算いたしますと、バイオガスが約一億円から六億円、これは若干幅はあります。それから、太陽光ですと〇・二億円から〇・四億円、二千万円から四千万円といったようなことと想定されております。委員が言われた数字の感じと大体合っていると思います。
以上でございます。
○重徳委員 ありがとうございます。
ですから、ごみが、ちょっと幅はありますけれども、私が聞いているある事業者によると二・五億円。
それで、今長官が言われたことを先におさらいしますと、太陽光発電は、例えば三千万円で初期投資をしました、毎年四百万円返ってくるから、利息抜きで考えれば、大体七年から八年ぐらいで回収できるということだと思うんです。
ごみ発電の方は、今、単価幾らで、何年で回収できる計算になりますか。
○梶原政府参考人 先ほどのお話のように、百キロワットでございますと、大体、生ごみの処理量ですと、一日当たり十トンぐらいのものが必要になってまいります。そうなりますと、投資費用としては一億円から六億円程度のものになります。
それで、今のペイバックということでございますけれども、現在、FIT法におきましては、一キロワットアワー当たり四十・九五円、買い取り期間二十年という形でさせていただいております。
どれぐらいでペイするのかということにつきましては、ビジネスのパターンによりますが、例えば、処理料金を取って廃棄物処理業という形の側面も持っておいでの場合は、そういったような側面も持っておりますので、必ずしも一概にというわけにはいきませんが、そういったような形でコストを計算されて経営を考えておられると思います。
○重徳委員 ありがとうございます。
私もビジネスの専門家ではないので、ちょっとこれ以上わからない面もありますけれども、通常の感覚で考えて、きょうはちょっと生ごみの方に特化して考えたいので、大体、太陽光は七、八年でペイする、生ごみもそのくらいで仮にペイするとした場合にも、先ほどからこだわるようですけれども、規模感が、今の例でいうと、百キロワット、二・五億円で、収入が例えば三千万円だとした場合と、二百キロワットで、五億円に倍になるのではなくて四億円投資なんですけれども、収入が六千万円と毎年倍になる。当然ながら、大きくなければ元は取れない。
そこで、足かせになるのがやはりアセスだなということに思いが至るわけでございまして、アセスは、立地だとか条件によっては大分差が出ますし、時間もかかります。四億円だと思っていたら、もう一年待たされて、もう一億円で五億円だ、こんなケースまであるかわかりませんけれども、参入できなくなりますよね。
ですので、こういう話を有識者の方とすると、そんな無理に参入しない方がいいよ、原材料を提供するぐらいにしておいたらというふうに実際きのう言われたんです。私が参入しようとしているわけじゃありませんが、その人の身になれば、そういうことだというふうに言われてしまうのが現状であります。
でも、今の日本に足りないのはチャレンジできる環境です。チャレンジできる環境ができてくれば、ある大学では、これはもうちょっと私も勉強しますけれども、バイオガス発酵スピードが三倍になる、そういう研究もあるんですよ。
ですから、これは特区でも規制緩和でも、今度のアベノミクス三本目の矢だと思うんですけれども、五トンという基準を二十トン、三十トンまでバイオガス発電の場合は認める、こういうような規制緩和ができれば、今回の電力システム改革と相まって、非常にこれは功を奏すると思いますし、先ほど長官がお認めいただいた基準も、電力の融通、小宮山ハウス構想にもまた一段と近づくんじゃないか、このように考えます。
これは政府参考人答弁より、このあたりは大臣にぜひ御答弁いただければと思うんですけれども、今回のアベノミクスの三本目の矢として、所管が違いますのであれですけれども、生ごみ収集の基準を五トンから大きくするというようなことが考えられないかどうかということをお尋ねしてみたいと思います。
大臣はいつも、改革は大胆に、スケジュールは現実的にというふうにおっしゃいますが、こういうことは、やはり小規模事業者の方から見て現実的であるかどうかということが大事であって、役所が現実的かとか、電力会社にとって現実的かということではないと思うんですね。私もそんなにたくさん知りませんけれども、小規模事業者の皆さんにとっては、ある意味現実的過ぎて夢が持てない。小宮山先生ですとか、そういう社会的地位の高い方々が言えば、役所は、いや、○○先生が言うのならといって応じるんですけれども、地元の小さな規模の企業は潰していく。いわば官尊民卑の発想だと思いますけれども、こんな社会ではいけないと思います。
ですから、大臣がいつも言われているように、日本社会の九割以上は中小事業者である。所信表明演説でも、産業の新陳代謝を積極的かつ戦略的に進めていく必要がある、国内高コスト構造を是正し、世界で企業が一番活動しやすい国を目指していきます、中小企業、小規模事業者の活力を最大限発揮する環境を整えていくことは重要です、中でも、中小企業の九割を占める小規模事業者は、地域経済の担い手として、そして最後に、電力システム改革が、戦後約六十年続いた地域独占体制を抜本的に見直す歴史的な大改革であります、ここまでお述べになっておられます。
ぜひ本日の議論を踏まえて、まずはエネ庁の長官からの御答弁は本当に一〇〇%、一二〇%だと思いますが、環境省と今度はエネ庁との垣根を越える、あるいはさらに農水省にも関係してくると思います、森林ですとか、農村のふん尿とか、海産物とか、こういうことについて、茂木大臣、関係大臣との調整もあろうとは思いますが、ぜひともそのあたりの姿勢をお約束いただけないものでしょうか。お願いいたします。
○茂木国務大臣 先日も、小規模企業の法案、この衆議院の方で可決をしていただきました。これからできるだけ小さな企業の声もしっかりと受けとめる、そして新しい事業に参入しようとする人を促進する、それを基本的に考えていきたいと思います。
きょう初めて御提起いただきましたので、また関係省庁とも詰めてみたいと思います。
○重徳委員 本当に真摯な御答弁をありがとうございました。
本当にまた次なる改革に心から期待を申し上げたいと思いますので、私の質問、四十五分ぐらいになりましたけれども、以上で終わらせていただきます。
まことにありがとうございました。