しげとく和彦の国会論戦の会議録
平成26年2月4日 予算委員会
東京オリンピック・パラリンピックで日本の活性化を!
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○二階委員長 この際、重徳和彦君から関連質疑の申し出があります。小沢君の持ち時間の範囲内でこれを許します。重徳和彦君。
○重徳委員 日本維新の会の重徳和彦です。
ベテランの先輩方ばかりのこの予算委員会でございますが、私は、新人議員といたしまして、日々地べたをはいつくばって、毎週末、何十人、何百人という市民、町民の皆さんと地道に活動を続けている、こういう立場から、まさに市民、町民の声を安倍総理初め閣僚の皆様方に届けてまいりたいと思っております。
ところで、昨年九月、東京オリンピック・パラリンピックの招致が決定をいたしました。不肖私も、七月に超党派の議員団でスペインのバルセロナへ、世界水泳の大会があったときを活用しまして、招致活動に行ってまいりました。皆様方と喜びを分かち合いたいと思います。
特に私が思いますのは、この東京オリンピック開催に向けまして、今後、首都圏のインフラ整備が進むことは、これは間違いないことですし、きちんと進めなければならないことだと思います。ただ一方で、これを単に東京だけのお祭りで終わらせてしまってはいけない。
これはやはり、地方の方々からいろいろ伺いますと、一九六四年の前回の東京オリンピックのときには、若い方々がどんどん地方から東京へ行って、東京で活躍をされる。それでも、地方にも若い方々がたくさん残っていて、全国が非常に盛り上がったということでございますが、昨今の状況ですと、地方が下手をすると疲弊していってしまうことにもつながりかねない、こういう懸念の声も耳にすることがございます。
その意味で、東京のオリンピック、パラリンピックの前年には、二〇一九年、ラグビーのワールドカップが、これは日本全国津々浦々で試合会場が置かれるということになりますし、それから、さらには、さまざまな地域のスポーツやさらに文化、こういったものを世界に、国際的に交流を発信していくようなことが必要なんじゃないかな、このように思うわけでございます。
地域でも、オリンピック種目以外にいろいろなスポーツがあります。太極拳とかグラウンドゴルフとか、子供たちはドッジボール、これもかなり高度な小学生のスポーツの域まで達している、そういうチームもあります。そういうような国際大会を開く。
あるいは、文化的な行事でいいますと、私の場合は地元が愛知県の岡崎市、西尾市、幸田町というところなんですが、例えば三河万歳という伝統芸能もあります。鳥羽の火祭りだとか、一色の大ぢょうちん、幸田のたこ祭り、本当に枚挙にいとまがありません。中には、国指定の無形民俗文化財に指定されているものもあります。
また、歴史的な記念行事もあろうかと思います。岡崎市でいいますと、徳川家康公生誕の地なんですが、家康公没後四百周年、あるいは、過去に大正天皇が御即位をされるときのお田植えが行われた地域、これは悠紀斎田というんですが、そういったところも百周年を迎えるとか、さまざま、これから五年、六年の間に全国各地であると思います。日本の歴史、あるいは皇室の歴史、こういったものを国際的に発信あるいは交流していく、こういうことも非常に重要なことではないかと思うんです。
これは、下村文部科学大臣に、今後のこうした文化、スポーツ、ラグビーワールドカップ、こういった取り組みを後押しいただきたいと思うんですが、御所見をお願いいたします。
○下村国務大臣 御指摘のように、二〇一九年にはラグビーのワールドカップがあります。また、二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックがあるということで、それに備えて国立競技場も建てかえをするということであります。
御指摘のように、一九六四年に東京オリンピックがありまして、東京は二回目でありますが、単に東京一極集中を加速させるようなことではなくて、招致もオール・ジャパンで獲得できたわけでありますし、やはり日本全体が活力を取り戻すような、そういう企画をぜひしていきたいというふうに思います。
愛知県もそうですし、また九州や北海道を含めて、オリンピックそのものは、競技は都市開催ですから東京でするということですが、事前合宿は、できたら四十七都道府県で二百カ国、そうすると、一県で四つか五つぐらいの国の事前合宿や、あるいは各種スポーツの受け皿を事前に対応していただく。
それから、御指摘のように、単にスポーツの祭典だけでなく、文化芸術立国として、昨年は和食が世界無形文化遺産、富士山も世界遺産になった。このときに、ぜひ世界じゅうの方々に日本各地を訪れてもらって、同時に、全国津々浦々、いろいろな文化芸術イベント等をされております。そこに、アスリートも世界じゅうから一万人ぐらい来られますけれども、できたらトップアーティストの方々が日本を訪れて、そして、いろいろなところで我が国の伝統行事とジョイントするような形で、日本じゅうで二〇二〇年を通じたイベント、吸引力をすることによって、昨年一年間で外国人観光客が初めて一千万人を超えましたが、二〇二〇年には二千万人、二〇三〇年には三千万人にするという計画がありますけれども、二〇二〇年をターゲットイヤーとして、その先の、二〇二〇年以降の日本全体が元気になっていくような、ラグビーのワールドカップ、それから二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックを位置づけて、日本全体を活性化する、そういう取り組みをぜひしてまいりたいと思います。
○重徳委員 ぜひとも、全国、国民挙げて、この平和の祭典を盛り上げていく、このようなこと、そして地域活性化に結びつけていく、こういう視点で取り組んでいただきたい、このように思います。
さて、話はかわりますが、今申し上げました東京パラリンピック・オリンピック、そしていわゆるアベノミクスによりまして、リーマン・ショックで非常に苦悩にあえいでいたこの日本の状況、世の中の雰囲気はかなり変わってきた、このように思います。しかしながら、残念ながら、こうした雰囲気に隠れて、全然変わっていない部分、改革が進んでいない部分、これもまたたくさんあるということを本日は御指摘をさせていただきたいと思います。とりわけ、この四月には消費税が増税されるというタイミングであります。
まず最初に指摘をしたいのは、官僚任せの予算編成、これは全然昔から変わっていない、このように思います。消費税増税で負担は全ての国民が負うんですが、その使い道は相変わらず官僚任せ、こういう状況は私は変えていかなければならないと思っております。
消費税増税というのは、景気に対しまして、それそのものはマイナスであるということは間違いありません。
近年、特に、物価は上がり、賃金は今のところごく一部を除いてまだまだ上がっていない、そして年金は下がるというようなことで、やはり、地元でも中心街で、これまでは何とかぎりぎりお店を続けてきたけれども、この四月、いよいよきついからもう店を閉じざるを得ない、閉めてしまおう、こういうことでありますから、もうみんな本当に戦々恐々なんです。それでも、これからの高齢社会で、年金、医療、介護、本当にお金がかかる、そして借金も、子供たち、孫たちにいつまでも多額の借金を残すわけにいかない、こういう本当にぎりぎりのところで納得せざるを得ない、これが多くの方々の率直な感覚だと私は思います。そういう状況ですから、私は、政府は一円たりともこれは無駄遣いを許すべきではない、このように思います。
まず、政府は、消費税の増税分、今回は、二十六年度は五兆円ということになりますが、この五兆円全て社会保障にのみ充てるという約束をされておりますが、これは間違いないですね、総理。
○安倍内閣総理大臣 ただいま委員が御指摘になったように、消費税引き上げ分の増収分は約五兆円でございますが、これについては、全額社会保障財源化いたしまして、社会保障の充実、そして安定化に充ててまいります。また、国分の消費税収の使途を法律や予算に明記するなどにより、このことを明確化していく考えであります。
具体的には、基礎年金の国庫負担割合の二分の一の恒久化などにより、社会保障の安定化を図るとともに、待機児童解消加速化プランの推進を初めとする子ども・子育て支援の充実、そしてまた、医療、介護が必要になっても住みなれた地域で暮らしを継続できる仕組みの構築、そしてまた、所得が低い世帯の保険料のさらなる軽減、そしてまた、医療費助成の対象疾患の大幅な拡大など、難病及び小児性の特定疾患対策の大胆な強化といった社会保障の充実に充てていくこととなっております。
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○二階委員長 議事の途中でございますが、ただいま、後方の傍聴席にヘスス・ポサダ・モレノ・スペイン下院議長御一行が御到着になっております。この際、御紹介を申し上げます。
〔起立、拍手〕
○二階委員長 ありがとうございました。
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○二階委員長 それでは、議事を続行します。重徳君。
○重徳委員 私も、図らずも去年の七月にスペインのバルセロナに行って五輪の招致をしてまいりましたが、今、その下院議長さんがお見えになったということで、歓迎をいたしたいと思います。
スペインは、バルセロナは、サマランチ元会長の生まれ故郷でもありますし、それから首都のマドリッドは、言うまでもなく、東京とオリンピックの招致を競ったライバルでもございました。結果的に東京が会場となりましたけれども、マドリッドに仮になったとしても、これはお互いたたえ合うという関係、これがスポーツの祭典、平和の祭典だと思います。
そういうようなことも含めまして、総理から下院議長さんに対してもし一言ありましたら、お願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 しっかりと通訳をしていただきたいと思います。
まさにきのう下院議長とはお目にかかったわけでございますが、伊吹議長と非常に有益な会談を行われたということでございます。
昨年、日本とスペインは国交がスタートしてから四百年の節目となったわけでございまして、皇太子殿下が訪問をされた際にも、大変な歓迎をいただいたわけでございます。
その昨年、まさにマドリードと東京が競い合ったということは大変光栄に思うところでございまして、マドリードとともに競い合ったこの東京オリンピックをぜひとも我々は成功させていきたいと思いますし、スペインの選手にも大いに活躍していただきたい、このように思います。
○重徳委員 消費税の話に戻ります。
消費税財源を社会保障に全部充てる、これはもちろん重要な公約でありますが、これを実現するというのは、むしろ当然のこと、あるいは、少し語弊があるかもしれませんが、大したことではないと私は思っております。
つまり、社会保障費というのは、毎年、一般会計で三十兆円規模なんですね。これは、毎年の税収では足りないものですから、赤字国債で、赤字国債こそ四十兆円以上発行しているわけですから、これを少しでも減らさなきゃいけない。そこの中に、今回でいえば、二十六年度、五兆円分をはめるだけといえばそれだけのことですので、それ自体は、言ってしまえば実現して当然だと私は思います。
では、問題は、その五兆円分、財政は丸々五兆円分だけ健全化されたんだろうかということであります。答えはノーだと思うんですね。ノーです。
なぜかというと、それは、その他の予算をふやしているからですよ。もちろんこれは必要な予算もありますから、別に、それ自体を全部否定するわけではありませんが、やはり私は、各省庁の姿勢に非常に疑問を感じます。
来年度当初予算、これは、昨年の夏に概算要求を各省庁が行うわけですけれども、税収でお金がどんどん入るというふうに思ったんでしょうか、概算要求は九十九兆二千億円という史上最高額に上りました。そこから査定をして現在の政府案になっているわけでありますけれども、この姿勢、どんどん要求してしまう、欲しいものはどんどん国民の税金でやってしまう、こういう姿勢というのは、私はただしていかなければならないと思います。
それから、今回の二十五年度補正予算につきましても、その規模は五・五兆円でございます。これは景気対策というふうに一応の説明を受けてはおりますが、やはり、この委員会で各委員から厳しい指摘があったように、中身は、景気対策につながるとは思えないような予算のオンパレードという状況でございます。これは、本当に政治のリーダーシップが問題なんだと思います。
景気のためという名目で五・五兆円、何でもいいから積めと言われれば、官僚もいろいろやりたいことがありますからどんどんお金を積んでしまうわけです。これをやはり容認しちゃいけない、これを官僚任せにしちゃいけないと私は申し上げているわけであります。
先ほど玉木委員からも、昔、塩じいと言われました大蔵大臣が、母屋でおかゆをすすっているときに離れですき焼きを食っていると。これは一般会計と特別会計の例えでありましたけれども、今や一般会計はおかゆじゃないと思いますよ。一般会計そのものがすき焼きになっているじゃありませんか。そして、今回の補正予算、例えて言えば、すき焼きを食べた後にデザートにステーキが出てきたみたいな補正予算だと私は思います。その意味で、本当にカロリー過多、もっとカロリー計算した財政運営を行っていただきたいと思います。
こういうことになるのは、やはり理由があるんです。仕組み上の理由があります。
当初予算というのは、各省庁ごとにいわゆるシーリングがあります。省庁縦割りであるんですね。だから、文部科学省なら文部科学省は、昨年度、五%カットあるいは一〇%カット、この範囲内でしか予算要求できませんとか、各省庁ごとに決まっているわけです。
ですから、当初予算では、新しい大規模な要求は非常にしづらいんです。その分を、上限の決まっていない今回のような補正予算でどんと要求するわけですね。こういう説明を、役所なんかは常識のように説明をするわけです。国会議員の中にも、じゃしようがないよなという納得をしてしまうような議員もいるわけですよ。だから、筋のいい事業も悪い事業もどんと入ってしまう、年度末のこんな時期に入ってしまう。
こういう仕組みは、そもそもの当初予算のシーリングの仕組みを変えていかなければならないと思います。これは役所に任せていてもだめなんです。役所はみんな各省庁に所属しているわけですから、そこでのシーリングを守るしかやり方はないんですね、役人の立場からは。
ですから、それは、全体を見渡せる総理、全体のリーダーシップをとっていただいて、ぜひとも、前年度比、各省庁ごと、あるいは省庁の中の各局のシーリングなんということじゃなくて、全体の中で割り振りを大幅に大胆に変えるということを、リーダーシップを持ってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 シーリング、これは一番、あなたの大先輩に当たる、まだ御存命ですけれども、相沢英之先生という方が、このシーリングこそ役人を堕落させた、三十年ぐらい前にそう言われたと思うんです。これは、青天井にしておいて、そのかわりばさばさ切るということになる方がよほど苦労が多いというお話を聞かされておりましたので、今回の概算要求は、各省別の基準ではなくて、いわゆる年金、医療にかかわる経費、地方交付税交付金等、また義務的経費、裁量的経費、また復興対策による経費など、経費の性質に応じて区分をした上で、それぞれのあれについて、めり張りのついた一定のルールを定めますというやり方をやらせていただきました。
したがって、先ほど、九十九兆、約百兆近いものが出たんですが、結果としては、御存じのように九十五までということになっておりますが、そういうときに、新しい日本のための優先課題推進枠というのを設けさせていただいて、これは、安倍政権としてこれだけは絶対に優先すべき課題について、各省の枠を超えて配分できる仕組みというものとしていろいろやらせていただいたんです。
したがって、平成二十六年度予算の概算要求基準は省別のシーリングというような基準になっておりませんで、予算編成に当たっても、枠を超えてかなり大胆な予算編成ということになったのではないか。
例えば、地方交付税等々を例に挙げれば、お詳しいところでしょうけれども、地方交付税は、地方税がふえましたものですから、ふえた分だけ、その分だけ減らさせていただきます、地方交付税を。こちらから出ます特別交付税を減らさせていただきます、そのかわり、科学技術とか、また公共事業とか防衛関係などに別に配分させていただきますというような形をやらせていただきましたので、各省庁一律何とかというような形ではなく、まあ第一歩かと思っておりますけれども、そういった御疑問、また御提案、我々としてもまことにもっともなところだと思っておりますので、その方向で、小さな第一歩と御理解をいただければ幸いです。
○重徳委員 私も、こういう思い切った改革が必要だという思いを持って、役所を飛び出して政治家になったというところがありますので、この予算編成の問題は本当に重要な問題だと思います。
時間があればもう少しやるんですが、次に移らせていただきます。
今回の消費税増税による景気の腰折れ対策としまして、やはり本質的には、アベノミクスで言うところの第三の矢、これをしっかりと打ち出していく、実施していかなければ、増税に負けない産業構造というのはなかなかできないと考えております。いわゆる成長戦略です。ここの部分が、今のところ安倍政権においては一番弱いところだという指摘がなされております。
そういう中で、総理はダボスでこのように御発言をされました。向こう二年間、国家戦略特区ではいかなる岩盤規制、すなわち既得権益も、私のドリルから無傷ではいられない、このように力強くおっしゃいました。
それを受けまして、先週は国家戦略特区の諮問会議がありまして、民間議員から、岩盤規制と言われる規制のリスト、これが挙げられました。医療、労働、教育、農業といった分野で挙がってまいりました。もっとも、これは目新しいものではないんです。私も、もう十数年前からよくよく見てきたものであります。だけれども、これがなかなか穴をあけられない。だからこそ、岩盤規制と言われているんだと思います。
でも、逆に言うと、だからこそ、今から一から検討する内容ではないと思うんですね。やる気になれば、スピード感を持ってすぐできるはずなのに、先週の塩崎委員からの質問に対しまして新藤総務大臣が、では今国会中にこの特区法の改正があるのかということについて、非常に煮え切らない御答弁がありました。
具体的な場所とテーマ、そして事業内容が詰まっていかないととか、作業を進めていく上で必要であれば私どもは即座に対応したいと思いますが、それはあくまで作業の進捗状況によるなんということで、こんなことでは、やる気があるのかどうかと問われるような御答弁だと思います。
このことについて、新藤大臣がどう言おうとも安倍総理はこうされるんだということを、力強く総理から御答弁いただきたいんですが、今国会中の法案提出についていかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 前回は、新藤大臣は、いわば要件等についてしっかりと御説明しようと思って、そういう答弁になったんだろうと思いますが。
国家戦略特区に盛り込んだ規制改革事項に加え、新たに必要となる規制改革事項についても改革のスピードを上げる。今委員がおっしゃったように、改革を進めていく上においてはスピードが大切でありますから、スピードを上げるため、できる限り速やかに取り組んでいく必要があると考えています。
このため、国家戦略特区諮問会議などにおいても、これまでの自治体、民間提案の洗い出しや、指定された区域からの改革ニーズ等による追加の規制改革措置の検討を進めて、今国会も含めた法的措置の必要性についても検討していきたい、このように考えております。
○新藤国務大臣 まず、答弁の前に、私がインフルエンザにかかりまして、この委員会の運営に多大な御迷惑をおかけしたことはおわびを申し上げたい、このように思います。
その上で、ただいまの御質問でありますが、消極的にとられた、私の答弁がそのように思えたとするならば、ぜひそれはきちんと聞いていただいて、認識を改めてもらいたいと思います。
私たちは、最大限のスピードを持ってあらゆることにチャレンジをする。それが、今まで全般ではできなくても、特区であるからやるんだ、そういう強い意思を持って、それが必要とあれば国会中であっても追加の法案も出しますよ、そういう覚悟を持ってやるということです。
でも、これは、手段の目的化になってはいけないんです。何のためにやるのか、どんな効果を出すのか、そのことをきちんと目的を明確にした上で、その手段としての規制緩和をやっていかなければならない。
だから、メニューは今までもそろっています。でも、できなかったのはできなかった理由があるんです。それを打破するためのきちんとした目的と成果を設定して、その上で、これは断固たる決意で進める、こういうことでございますから、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○重徳委員 インフルエンザから立ち直った力強さで、ぜひとも本当にやっていただきたいと思います。総理からも、今国会を含めというお言葉をいただきましたので、ぜひとも今国会でこの特区の法案を提出いただきたいと改めてお願いを申し上げます。
次に、やはり消費税を増税する以上は、私たち税金で給料をもらったりしている人間としては、これは国会議員も公務員も、身を切る覚悟を持たなければならないと思います。
国会議員の定数の削減につきましても、これまで委員会でも質問が出まして、総理からも一定の御見解があったと思います。これから各党の協議を早急に進めていかなければならないと思いますが、もう一方で、公務員の給与を、これまで二年間、七・八%、国家公務員はカットしていたということでありますが、これが今度の四月から、七・八%、そのままもとへ戻してしまう、こういう状況であります。
私も、元公務員ですから、給与をカットされてうれしいことは何もないという気持ちはわかるんです。しかしながら、やはり、この増税の局面におきまして、大企業だって、まだ賃上げを、ベースアップはやるかどうかも決定はしていないわけです。やるとしても、全ての企業が大幅にアップするということは、私は現実的にはなかなか難しいなと思いますし、まして中小企業は、その兆しもまだ見えていない。
来年度は税収が五十兆円を超えるということでありますが、これはもちろん景気回復の影響もありますけれども、うち五兆円は消費税の増税によるものですから、景気がよくなったということもありますが、しかし、これは国民の痛みを伴う税収なんだ、この点に思いをしっかりといたさなきゃいけないと思います。
七・八%、そのまま丸々戻すんじゃなくて、ほかにもいろいろ、例えば半分だけ戻すとか、何年間かかけて少しずつ戻すとか、当面は据え置くけれども必ず何年後には回復させよう、それまで公務員は歯を食いしばって頑張ろうじゃないかとか、いろいろなやり方があるはずなんです。簡単に給料をぽんと、約束だからということで戻すのでは、国民の納得はなかなか得づらいと私は思います。
さらに言いますと、国家公務員については、今、公務員制度改革の法案が前国会から継続審議となっておりますけれども、政府案は非常に内容が甘いと思います。
私たちは、維新の会とみんなの党で共同提案で、官僚の天下りのあっせんを禁止いたしまして、さらに罰則をつける、こういう内容の法案を提出させていただいております。これは役所から見ると非常に厳しいと思われるかもしれませんが、実は、自民党の皆さんは御存じと思いますが、平成二十二年に野党自民党が出していた法案と丸々同じ内容なんです。これが政権に戻ると全部骨抜きになるんですか。
これは、よく責任野党という言葉を総理もおっしゃいますけれども、一体、野党時代の自民党は責任野党だったのか何だったのか、このように思います。与党に戻ったら野党のときと違うことを言うというのは、私はおかしいと思います。
なぜこのような、天下りに対して甘い仕組みに逆戻りし、給与ももとに完全にすぐ戻しちゃって、このタイミングでどういう御判断だったのか、このあたり、総理の基本姿勢をお伺いしたいと思います。
○新藤国務大臣 まず、公務員の給与の問題であります。
表現が、いろいろな言い方があるんだなと、今、委員の話を聞いていて私は思いましたが、これは簡単に戻したわけではありません。政権の中で、本当に慎重な、そしていろいろな議論がありました。
もともとが、東日本の震災に対する臨時異例の措置であります。そして、法律で二年の期限を切って、その中でやったものが、その期限が来る状態で、社会の情勢、それからさまざまな人事院の勧告の尊重ということもありました。そういったものを含めて我々は検討して、この問題は、二年間で臨時異例の措置を終了させるということにいたしました。
でも、公務員の人件費の改革は引き続きやります。このほかの細かなことはまた別の機会があると思いますが、公務員の給与問題の改革は続けていきます。それから、公務員の定数管理は、厳しく削減を、これまでの目標以上のものを達成する。
そういう前提でもって、総合的な対策として今回措置をしたということでありますから、これは、私たちは、一片のすきもなく、また、甘えを持ってこのようなことに取り組むつもりは毛頭ありませんから、厳しくやった上での、しかし、皆さんが士気を高めてしっかりと仕事をしてもらいたい、このように思っているわけであります。
○稲田国務大臣 政府案が後退であるという御指摘でございますけれども、天下り規制に関しては、平成十九年に、既に国家公務員法の改正によって、癒着につながりかねない行為を直接的に規制するとともに、再就職等監視委員会を整備したところでございます。
御党との差は、刑事罰を入れるかどうか、その一点でございます。しかも、不適切な、天下りの不正行為の見返りとしてあっせんをした場合には、もう既に刑事罰は入っております。そのほかについては懲戒処分という仕切りにしているわけですけれども、あっせんにも刑事罰を入れるのについては大変議論があって、昨年の臨時国会で提出をいたしました、国家公務員法の改正法案の三党合意に添付しておりますところの附帯決議の案においても、そこは検討することとなっております。
そして、何よりも、私は、この国家公務員法、公務員制度改革をして内閣人事局を設置することによって、縦割り行政の弊害を排することにより、省益ではなくて国益のために官僚が働く、そして、そういった内閣一体となった人事戦略ができるという、本当に今までずっとやりたくてもできなかった内閣人事局を設置することによって、縦割り行政の弊害を排することによって天下りは根絶されるものと考えております。
○重徳委員 私は、元官僚として十六年半働いた人間として、やはりこれからの時代というのは、今までと違うんですね。
過去にはいい時代もありました。高度成長を支えてきた、引っ張ってきたのは当時の通商産業省とか大蔵省、こういう時代もありました。だけれども、一連の官僚バッシングを受けました。これは私は、時代の要請と言うとちょっと変な言い方ですけれども、やはりこれからの官僚のあり方というものは、根本的に霞が関を分割して、地方分権、道州制にする、そういう根本的な根っこからの改革も必要だと思っております。こういう時代におきまして、国の統治機構の形を変えていかなければならない、こう思って取り組んでおります。
最後に総理のお言葉を、統治機構改革も含めて、これからの官僚の仕組みなどについて総合的なコメントをいただければと思います。
○安倍内閣総理大臣 まさに委員も含めて、私たちは国民によって選ばれたわけでありまして、私たちは国民によって選ばれた国会議員、そして我々はその中から選ばれた政府でございまして、政治主導でもって、しっかりと理念に基づく方向性を定め、その中でしっかりと政策判断をしていきたい、その中において、官僚機構は、さまざまな分析、そして政策の立案、選択肢を示すという仕事をしっかりとやっていっていただきたい、このように思います。
○重徳委員 どうもありがとうございました。
引き続き議論をしてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○二階委員長 これにて小沢君、重徳君の質疑は終了いたしました。