総選挙の意義と経済政策を問う!
○重徳委員 維新の党の重徳和彦です。
昨年の解散・総選挙につきまして、先日、安倍総理は本会議におきましてこのようにおっしゃっていました。野党が批判ばかりをしていて、政権選択の選挙になっていなかった、こういうことから投票率も非常に低かった、民主主義としてもこれは問題だ、このような趣旨の御発言がありました。
確かに、野党はまだまだ力不足である、これは御指摘のとおりだと思います。ただ一方、私、地元は愛知県の岡崎市、西尾市、幸田町、愛知十二区というところなんですが、有権者の皆さんは、やはり十二月というのは忙しくて、寒くて、そんな中で大義のない選挙、税金の無駄遣いだ、こういう声もたくさん聞こえてまいりました。
総理は、解散前の会見におきまして、今回の解散は、消費税増税の先送りを是とするか否とするか、それから、経済政策、いわゆるアベノミクスを是とするか否とするか、これが争点である、このようにおっしゃっていましたが、今回の総選挙での与党勝利によりまして、国民から何を信任されたと認識をされていますか。原発の再稼働とか集団的自衛権の行使容認につきましても信任されたというふうに認識をされていらっしゃいますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 総選挙というのは、すべからく政権選択の選挙であります。そして、我々も、野党になった瞬間から、とにかく与党に復帰すべく準備を進め、一日も早く、当時の我々は、民主党政権に取ってかわらなければいけないという危機感の中で、解散・総選挙に追い込まなければならない、こう考え続けてきて、準備をし続けてきたわけでございます。
つまり、野党の皆さんにとって、選挙が大義がないというのは、自分たちが取ってかわるそのものが大義がないということを言っているのにほぼ等しいのではないかと、私は大変不思議に思い続けてきているわけでございます。
そこで、申し上げますと……(発言する者あり)これをしっかりと議事録に残していただきたい、このように私はむしろ思うわけであります。
我々は、野党時代には、民主党政権を一日も早く倒すことが日本のためになる、そのためには解散を一日も早くしなければならない、そして私たちは政権を取り返したわけであります。
野党の皆さんが解散を欲しないというのは、まだ準備ができていないと考えているのか、あるいは自民党安倍政権がそのまま続くことがいいのか、これしかないのではないか、こう思うところでございます。
そこで、選挙はすべからく政権選択の選挙であり、我々は、まず、なぜ解散したかということについては、大きな税制上の変更を行ったということでありまして、まさに税は政治の基本であり、民主主義の基本なんだろう、このように思うわけでございます。
同時に、我々が進めてきた経済政策については、この国会でも議論されているように、我々が進めている三本の矢の政策、アベノミクスに対しましては野党からは御批判があるわけであります。その是非についても選挙で問わなければいけない、こう考えたところであります。
同時に、総選挙でありますから、これは政権選択の選挙でもある中において、私たちは与党として責任を持って選挙公約をさせていただいたわけでございます。この選挙公約の中には、外交、安全保障にかかわる政策、経済政策にかかわる政策、あるいは原発の再稼働にかかわることについてはしっかりと書き込んでいるわけであります。
そして、再三申し上げているように、選挙の結果は白紙委任ではなくて、こうした公約について国民から信任を得れば、当然、これは国民との約束でありますから、この公約を果たしていくためにその責任を果たしていくという観点から、しっかりと公約を前に進めていくべく努力していくのは当然のことではないか。
今申し上げましたように、この選挙期間中を通じて、公約をもとに国民の皆様に各候補者が訴え、あるいはまた、テレビの討論会等についても、原発の再稼働の問題、あるいは集団的自衛権の行使の問題、これも議論したわけでございます。
こうした議論を経て、我々は二百九十一議席を獲得することができた、与党が三分の二をとることができた、このように思っております。
○重徳委員 総理、私の質問をよく聞いていただきたいんですけれども、私は、大義がないというふうに感じておられたのは、我々野党ではなく国民の声だというふうに申し上げたんです。そして、確かに私たちは、野党は、力不足、準備不足、これは否定をいたしません。そういう状況でした、確かに。だけれども、やはり国民にとってどう受けとめられたかということが私は重要なところだと思います。
消費税の増税先送りについては、各党とも、主要政党はどこも反対をしておりませんでした。ですから、これは争点たり得ないような状況だったと思います。
また、いわゆるアベノミクス、この政策自体、白か黒か、それを有権者に判断していただきたいといっても、はっきり言ってグレーで、この先どうなるかわからない、こういうのが実際のところだと思います。今、一千兆円を超える借金を抱えながらどんどんと財政出動する、そしてそれを、日銀が次々と国債を購入することによって、際限のない金融緩和になりつつある。このような状況を、本当に大丈夫かと不安視をする国民の皆さんも大勢お見えになります。
まして、原発の再稼働とか、あるいは集団的自衛権につきましても、去年の七月の閣議決定から国会における議論はほとんど行われておりません。臨時国会がようやく開かれたと思ったらすぐに解散ですから。そういう状況の中で、審議、説明が十分尽くされていない中でどうかと言われても、これは、やはりまず国会における議論をしっかり行った上で信を問うというのが本来の順番ではなかったか、私はそう思います。
それから、民主主義の原則でございますが、これは、多数決というのは確かに一つあります。ですから、三分の二の議席をとられた与党には多数決原理を行使する一つの権利はあると思いますが、もう一つの民主主義の原則は、少数意見の尊重であります。
そしてまた、日本は小選挙区でいうと三百の選挙区がありますから、選挙区によっては、与党が勝ったところもあれば、野党が勝ったところもあるんです。したがって、私たち議員一人一人の意見をきちんと尊重していただく、これは当然のことだと思います。
私自身も、まだまだ、今回二期目の議員でございますけれども、とにかく現場に飛び込んで声なき声を聞くんだという姿勢で地元で活動しておりますが、こういった国民の声に対して、真摯に声を受けとめていただきたいというのが私からのいわばお願いであります。
それから、今回の解散については、何だかんだ言いながらも、きっかけとなったのは閣僚の政治と金の問題なんです。女性閣僚がお二人、早々に辞任されたということ、もう去年のことなのでお忘れになっている方もいらっしゃるかもしれませんが、これで政権の流れが悪くなってきた、これで解散を決断せざるを得なかった面も大いにあると私は思っております。
そして、今回の選挙を通じてみそぎは済んだとでも言うのでしょうか。このあたりもはっきりしたところではありませんので、これからもさらに国会におけます説明が必要だと思います。
さて、定数削減、そして政治家の身を切る改革、そういったことを私たち維新の党としては公約として掲げております。また、月々百万円国会議員に支給されております文書通信費、この使途も明らかにしていこうではないか、こういったことを申し上げているわけですが、こうした政治家の身を切る覚悟、改革ということを行う前に、先ほどから議論があります、社会保障の分野では介護報酬の削減、こういったことが次々と打ち出されているわけであります。
これからも、消費増税を必ず二年後には行うと総理もおっしゃっておりますし、さまざまな国民の負担の増、こういったもののオンパレードになることが予想される中で、政治家がまず身を切る、こういう姿勢を示さなければ、誰がそんな政府、そんな国会の言うことについていけるでしょうか。
私は、まず、何といっても、この身を切る改革というものに対して、圧倒的多数を占められている与党の皆さん方にも真剣に向き合っていただく必要があると思いますが、こういった身を切る改革とさまざまな国民の負担増というもの、これの順番がいささか逆になっているんじゃないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 お答えする前に、先ほどの、選挙をどう考えているかという御議論なんですが、まさに選挙においてこそ、さまざまな課題を国民の前で政党同士が、候補者同士が議論するんですよ。そして国民の皆さんに決めていただくのではないでしょうか。
昨年、集団的自衛権について閣議決定したときには、まさにあのとき、閣議決定したんだったら国民に信を問え、そういう野党の皆さんがたくさんおられたじゃないですか。ああいう閣議決定も含めて、まさに国民に我々は信を問うたんですよ。
そして、聞き捨てならないのは、閣僚の不祥事があったから選挙をやった。私はそれを聞いて驚いたんですが、むしろ、そういうダメージを得たときに選挙をそれでやるというのは、どう考えてもそれはおかしいんじゃないですか。むしろ、それも含めて国民の信を問う、これは明らかに我々にとってはダメージであり、マイナスであったわけですよ。その反省の上に立って我々は選挙に臨んだということでございます。
そこで、議員定数についてでございます。
また、議員定数については、これはまさに国民の民主主義の基盤について議論をすることになるわけでございます。民主主義の根幹にかかわる重要な課題でございますので、国会において、国民の代表者たる国会議員が真摯に議論を行い、国民の負託にしっかりと応えていくべきものであろう、このように思います。
そのためには、まず各党各会派において議論を深め、国会において合意を得る努力を行わなければならないと考えています。
その中において、議員定数の削減については、各党各会派の協議が進まないことから、私が提案をいたしまして、昨年六月に、衆議院議長の諮問機関として、衆議院選挙制度に関する調査会、いわゆる有識者会議が設置をされたわけでありまして、さまざまな議論が進められているところでございまして、大切なことは、各党各会派がこの調査会の答申に従うことだろう、このように思います。
答申が出て、その答申に対して従わないということになってしまったら、また議論はもとに戻ってしまう。いわば、こういう堂々めぐりを避けるために国会の議長のもとに置いた有識者会議であります。
私は、自民党の総裁として、自由民主党としてはこの答申に従うということは申し上げているとおりでございまして、その前提のもとに建設的な議論が進められ、各党各会派も、責任感の中において、ぜひ出てきた結論については受け入れるということを表明していただきたい、このように思うところでございます。
○重徳委員 今の定数削減の話については、常に総理は各党各会派での議論をという話をされるわけなんですけれども、その結論を得て定数削減に至って、その上で解散をするというのが本来の約束だったはずです。これも含めて総理自身が国民と約束をされていたはずなのに、それはもう国会の議論が遅いからであって、解散するのは私の専権事項だ、こう別々にしていること自体が、私は問題があると思っております。
こういったことも含めて、総理には国民との約束を果たしていただきたい。これはもう毎回同じ御答弁なものですから、一言申し上げたいと思います。
さて、次の質問に入りたいと思います。
総理は、原発再稼働につきまして、繰り返し、原発が全てとまり、これに伴う燃料輸入増により毎日百億円もの富が海外に流出する、そして電気料金が上昇する、温室効果ガスの排出量が増加をする、こういうことから原発ゼロというわけにはいかないんだということを言い切りまして、原発再稼働を進めていく、こういう御意向のようであります。
これは一見正しく聞こえるんですが、これをちょっとごらんいただきたいと思います。ここ十年間の貿易収支と原発停止に伴う化石燃料輸入額でございます。
問題となりました二〇一一年に、当然ながら、原発停止に伴う化石燃料輸入額が、これは経産省の試算ですから、どこまで正しいかどうかはともかくとしまして、二・三兆円の化石燃料の輸入が始まったわけなんですが、ちょうどこの年から、それまで長らく続いていました日本の貿易黒字が赤字に転落しているわけです。
その赤字幅も二・六兆円という幅であったわけですから、この赤字幅イコール化石燃料の輸入額に近いということで、何となく、この化石燃料の輸入が大幅に貿易赤字の原因になっているんじゃないか、このような感覚でお聞きになっていた方もいらっしゃるような感じがいたします。
この後、円安の影響もありまして、輸出も実際にはふえているんですが、それ以上に、日本は加工貿易の国ですから、輸入する原材料が高騰、円安の関係で高くなりまして、その関係もありまして、大幅な貿易赤字がその後どんどん広がっているわけです。
こういう中にあって、確かに、原発の停止に伴う化石燃料の輸入額というのは、一定額、二兆円から三兆円程度ありますけれども、しかしながら、この大幅な貿易赤字の中で、これだけがその原因であるわけではもちろんないわけでありますし、また、御承知のとおり、油の価格はここのところ半減をしているわけであります。
その意味でも、この原発停止に伴う化石燃料の輸入額、あるいは、富が毎日百億円外に流れていく、これをもって原発再稼働の大きな理由というふうに、イの一番にそれを常に総理はおっしゃいますけれども、そういった、百億円百億円ということであおるようなことをこれ以上言うべきではないんじゃないかと私は思います。現に、原発にかかるコストだって相当なものです、いわゆる電源のベストミックスについて議論もようやくこれから始まるわけでありますから。
こういう中で、百億円百億円と言って、経済あるいは貿易赤字を何とかするためにも原発再稼働だ、こういうロジックというのは少し控えていただいた方がよろしいんじゃないか、私はそう思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 答弁をする前に、まるで私が約束をたがえたかのようなお話をされたんですが、我々は、まず〇増五減と定数の是正をして違憲状態をなくしたわけでございます。
定数削減については最大限の努力をするという約束をしました。しかし、その際、少数党も含めて納得する結論を得なければいけない、こう申し上げたわけであります。
多数を持っていればできるのであれば、我々、前の国会で自由民主党の案というのはあったんですよ。あれで強行採決すればまさにできたわけでありますが、しかしそこは、民主主義の土俵をつくる上においてはそれはやるべきじゃない、こう考えたわけでありまして、そして、それまで全然進んでいなかったわけでありますが、まさに安倍内閣になって、議長のもとにこの有識者会議をつくって今御議論をいただいている。
大切なことは、皆さんも出た結論に対しては賛成するということを約束していただければ、さらに議論が進む中において前進をしていくということになるのではないかということは申し上げておきたいと思います。
そこで御質問にお答えをいたしますが、直近の化石燃料の価格は確かに下落をしておりますが、長期的には高騰と下落を繰り返しながら上昇してきたところであります。引き続き注視が必要な状況であります。
いずれにせよ、原発が全てとまり、これに伴う燃料輸入増が貿易収支の悪化の一因となっているのは事実でありますし、日々国富が流出しているのもこれは事実でございます。
また、加えて申し上げますと、一日百億円、こう申し上げております。原油の下落における影響がどうかということはもう一度精査をいたしますが、電力においては、多くは御承知のようにガスでございますから、それも含めてよく精査をしていきたい、こう思います。
また、こうした燃料輸入の増によって、国富の流出のみならず、電力料金が上昇し、国民や中小・小規模企業の方々への影響は大きなものとなっているわけであります。
また、温室効果ガスの排出量は震災前に比べて大幅に増加をしているわけであります。CO2の排出ということに鑑みれば、原油価格が下落しようとこれは変わらないわけであります。
こうしたことを考えますと、国民生活や産業活動、中小・小規模事業者を守り、責任あるエネルギー政策を実現するためには原発ゼロというわけにはなかなかいかないわけでありまして、もちろん安全性を大前提とするわけでありますが、地元の御理解をいただきながら我々は再稼働を進めていきたいと考えているところでございます。
○重徳委員 今総理は、お言葉を返すようですが、定数削減については国民との約束ではなかったかのようなおっしゃい方をされたと思います、約束をたがえたわけじゃないと。約束をたがえたと言ったら、約束をたがえたような言われ方をするのは心外だということは、約束ではなかったと言わんばかりのことだったと思うんですけれども、野田当時総理と安倍総裁との間で、国民の前で消費税増税とあわせて定数削減も行うとあれだけおっしゃったわけですから、これは真摯に受けとめるべきだと思います。
その上で、原発につきましても、百億円の富の話も繰り返しされるわけですが、やはり安倍総理、経済最優先ということも繰り返し言われます。この道しかないという言われ方もされます。
私たち日本人はいろいろな価値観の中で生きているわけでありまして、原発も、経済問題から反対する賛成するだけではないと思うんです。いろいろな意味で原発については賛成する人、反対する人がいるわけですから、そういったことも踏まえた議論をしていこうではありませんかという意味で、百億円百億円ということを余り強調しない方がフェアではないかということを申し上げているわけでございます。
さて、次に経済の問題であります。
安倍政権になってから、日経平均株価、これは一万円を切っていたところから一万八千円になろうというぐらいに、この折れ線グラフのとおり伸びているわけでありまして、これは大きな成果だと私は思います。
一方で、棒グラフで表現しているのは国内での小売販売額の推移でございます。これが、見てわかるとおり、もうほとんど横ばいでありまして、変わっていない。アベノミクスの効果、恩恵を感じていない方々が八割方である、これがその感覚をあらわす端的な数字だと私は思います。
おととい、トヨタ自動車のトヨタグループも、二〇一四年の生産台数の発表がありました。三年連続過去最高、千二十八万台ということなんですけれども、一・七%増。ただし、これは海外生産が四・二%増でありまして、国内生産は一・八%減、前年割れでございます。自動車はこういう状況。
それから、住宅につきましても、多分きょう発表だと思うんですが、新規着工の戸数が前年比九%減。これは反動減もあるでしょう。しかし、持ち家の減少率は二〇%減ということで、単なる去年の消費税の反動減だけでは説明できません。十七年ぶりの減少幅でございます。
これは、大まかに分析をしますと、株価によって所得を得る、もうけること、これはもちろんよいことでありますので、それはそれでいいんですが、恐らく中高年の富裕層の方が、株でもうけておられる方は多いと思うんですが、そこが車を買うとか、持ち家を買うとか、そういう消費行動に移っていない、これが実態なんだと思います。ですから、国内でのいわゆる景気がよくなっているという実感がまだまだないということであります。
このように、ほとんどの国民が、今までのところ景気回復の実感ができていない状況であります。株価が二倍近くへ上がっても、国内の物の需要が十分伸びていない。この理由をどのように分析され、これからどうしようとしておられるのか、御答弁をお願いします。
○安倍内閣総理大臣 質問に答える前に、しつこいようですが、私は、定数削減、これをしっかりやっていきますのは当然。この定数削減にちゃんと取り組んでいくということは、国民との約束です。ただ、定数削減をしなければ選挙はしないと約束したことは一回もないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います。
そこで、アベノミクスの三本の矢の取り組みによって経済の好循環が生まれ始めたのは事実でございまして……(発言する者あり)
○大島委員長 答弁している最中はちょっと静かにしてください。
○安倍内閣総理大臣 株価の大幅な上昇によって、資産効果とマインドの改善がある。マインドの改善は、デフレ脱却においては大きな成果だったと思います。消費税引き上げに伴う駆け込み需要などで、二〇一三年に個人消費は実質所得を上回る伸びとなったのは事実でございます。
大切なのは、これからしっかりと賃金が上昇していく。出だしにおいてはすぐに賃金を上げていくというわけにはいきませんから、その中において、株価が上がっていく、これはマインドを変えていく、資産効果があった、このように思うわけでありますが、大切なことは、これからしっかりと賃金が上昇していくことだろう、このように思います。
幸い、この四月には経済界側も賃上げに応じていく、あるいは下請企業に対して材料費に対応していくということを約束していただいております。
足元においては、街角の景況感、内閣府の景気ウオッチャー調査でありますが、全国全ての地域で上昇をしておりまして、中小企業の景況感でもおおむね改善をしてきておりまして、消費者マインドも下げどまりの兆しが見られているわけであります。昨年の消費税引き上げ、これは三%、割と大きな引き上げでありましたから、これによって消費に影響があり、反動減が来て、消費の動向に確かに大きな影響があったと思いますが、今、足元ではこうした状況になっております。
こうした兆しを景気回復の確かな実感につなげるため、今般、個人消費のてこ入れと地域経済の底上げを図る力強い経済対策を策定したところでございまして、経済の好循環を確かなものとし、地方にしっかりと我々のアベノミクスの好循環の、景気回復の実感をお届けしていきたい、愛知県にも岡崎市にもお届けしていきたい、このように思っているところでございます。
○重徳委員 総理、またお言葉を返すようですが、定数削減を選挙に合わせてやると約束していないというのは、では、いつかやります、そういう約束なんですか。やはりこれではいけないと思います。やはり定数を削減して次の選挙を迎えるというのは、これは当然の、常識的な受けとめだと私は思います。そういう取り組みをさらに続けていただきたいと思います。
さて、今の経済の話で行きますけれども、やはりまだまだ八割方の方々がアベノミクスの効果を実感していないということなのであります。私は、政策的に大きな柱が一本欠けているんじゃないかなと見るべきではないかと思っております。
そこで、私は一つ提案したいんですけれども、私は、子供を産みたい、育てたい、若い世代の方々がそう思っていただけるような、そんな温かい地域社会づくりを目指していきたいと思っております。これが、少子化というのも寂しい言葉なので、ひっくり返して増子化という政策と言うことができるんじゃないかと思います。
この増子化政策というのは、別に経済政策では本来ありませんで、社会的な政策だと思っております。そして、何よりも、将来にわたって国民に希望をもたらす政策だと私は思います。子供が減る社会というのは先細りの社会でありまして、国内市場も先行きが見えません。
そして、今回の予算は、景気対策ということで組んでおられますけれども、これもいわば従来型で、一過性のものもたくさんあります。ですから、何となくこの予算委員会の中では景気のいい議論が行われていますけれども、実態、社会の実情は本当に厳しいものがあります。こういったところをもっと、国民の皆さんが確かに先々が見通せるねというような社会につくりかえていくことが必要だと思います。
ポイントを一応四つ挙げておりますけれども、子供がふえれば当然子育ての需要はふえます。そして、教育も潜在的な需要がまだまだあるんだと思います。ここに手当てをしていくことが必要だと思うんです。
今回もプレミアム商品券というようなものも案としてあるわけですが、より教育世代にスポットを当てた、教育クーポンとでもいうんでしょうか、そういったものを行って、教育、最近は本当に子供に教育費がたくさんかかります。かけたいと思う親心が非常に、より熱くなっておりますので、そういうところに手だてを加えることによりまして経済はより回るようになってくると思いますし、子供が一人、二人とふえてくれば、車を買いかえようか、チャイルドシートをつけなきゃいけない、あるいは送り迎えもふえるから、お父さん一人だけじゃなくてお母さんも、一台ずつ車を持とうとか、さらには持ち家を持とうというような需要もふえてくるわけでございますから、こういった大きな、先ほどから問題にしております物の流通というものが大いに始まるのではないかというふうに思っております。
こうしたいろいろな、親の所得によって教育の格差というものが広がっていると言われる状況の中で、教育世代に対する手当ても必要、子供がふえていくためのさまざまな施策にもっともっと力を入れていくべきだと思います。
ちょっと時間もありませんので、まとめて話すだけ話しますと、当然、今、安倍総理が言及されました賃金のアップ、中小企業にまで、大企業を中心とした、今景気がちょっとよくなっている、この波及をもたらすということによって、若年労働者の処遇を改善させる必要もあると思います。
そして、生産拠点ですね。さっき、トヨタ自動車がほとんど海外での生産がふえているというふうに申し上げましたが、それも長らくの円高状況がもたらしたことでもありますが、円安になったからといって、国内にそれが回帰するとは限りません。やはり、将来、車が国内でも売れるんだ、そういう見通しがなければ生産拠点は国内に回帰しないと思います。
そしてもう一つ、四つ目は、これは少し違う観点ですが、将来世代、今、人口が減り、若い人たちが減るわけですから、ことし発行した国債は六十年後に返し切るわけです。六十年後といったら、恐らく本日いらっしゃる閣僚の皆さんも、生き残っていらっしゃる方もほとんどおみえにならないんじゃないかと思いますが、そのころの借金を返すことのできる人口というのは今よりもぐっと減るわけでありまして、一人当たりの債務負担、これも軽減していく必要が今我々世代としてあるだろう、このように思うわけであります。
この増子化政策につきまして、政府を挙げて取り組んでいく必要があると思いますが、ここで、少子化担当大臣、有村大臣に御答弁をお願いいたします。
○有村国務大臣 昭和四十年代後半に生まれた第二次ベビーブーマー世代、当時、年間二百万人生まれていました。現在、去年生まれた子供たちは百万人。二百万人生まれていた子供たちが百万人、それだけでも、人口は本当に減少をしていくということを実感として持ちます。
増子化政策というのは、委員の御質問で初めて、造語でしょうか、伺いましたけれども、基本的な概念や姿勢ということを共有いたします。
やはり、市場の規模あるいは社会の担い手の減少、それから、おっしゃった現役世代あるいは将来世代の負担の増加を食いとめなきゃいけないということで、根本的に社会経済の根幹を揺るがせる問題が少子化だというふうに思っております。
これからの解決策としては、単に妊娠、出産、子育てということではなくて、結婚段階からも応援していこうということで、新しくやっていきたいというふうに思っています。
この四月から実際に実行することになります子ども・子育て支援新制度では、お子さんたちを受け入れる、待機児童解消のために、保育の拡充あるいは質の改善ということで、保育園、幼稚園、認定こども園、あるいは小規模保育などの拡充を図ってまいります。
子供を持ちたいという希望が若い段階でもかなえられるように、安心して子供を育てられる、そういう社会の実現に向けて、多子家庭への積極的な配慮ということも新しくやっていきたい、引き続き先生方とも連携をしていきたいというふうに考えております。
○重徳委員 ありがとうございました。終わります。