H27.3.2 予算委員会
企業、団体献金の禁止、18歳選挙権、年金改革は次世代のため、自殺対策の予算化
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○重徳委員 維新の党の重徳和彦でございます。
きょう初めての男性の議員ということで少し緊張していますが、維新の党はちょっと女性が足りません。そういう意味で、女性議員をふやそうという議員連盟が先週立ち上がりましたが、民主党の中川正春会長、自民党の野田聖子幹事長のもとで、私も事務局次長を拝命いたしまして、女性の参画を政治の分野でもふやしていこう、こういう活動に取り組んでいるところでございますので、御容赦いただきたいと思います。
さて、きょう午前中から、環境大臣に対します政治と金の問題でさまざまな議論が行われてまいりました。そういう中で、一企業との深い関係、それから与党自民党の港湾振興議連の会長を務められているという望月大臣のお立場というのが明らかになったわけなんですけれども、ある種、望月大臣が言われるように、港湾に関して言えば、全国視野で津々浦々まで面倒を見る、これが与党の港湾振興のトップとしての役目である、これはこれでわかるんですが、その一方で、でも地元のことは何もわからないということは、少し、一般国民の皆さんにも理解ができないところだと思います。
そこで、これからも説明責任を果たしていただきたいと思うんですが、一点だけ私の方から確認をしたいのが、確かに、今の法律上、国から直接の補助金でなく、間に一般社団法人が入ればこれは法律違反ではないとか、それから、補助金をもらってから一年を超えていたら法律違反じゃないけれども、一年以内だとだめだとか、そういう法律上の要件というのはあるんですが、そうはいっても、どの時点かわからないけれども、あるいは国から直接じゃないかもしれないけれども、何か補助金は当該企業が受け取っていた、いるということぐらいは御存じじゃないんでしょうか。その点だけ、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○望月国務大臣 直接とか間接とかいろいろありますけれども、我々、先ほど申しましたように、全国だと千カ所以上の大小の港湾、港がある、そういうことで、この日本は海洋国家でありますから港を大切にするということで、私はたまたま港湾議員連盟の会長というような形になりましたが、それぞれの皆さんが、やはり日本の国の港をこれからどういうふうにしていったらいいか、そういう政策的なものを勉強させていただく。
そしてまた、それぞれの港、あるいはまた地域については、これはもう与野党問わずに、今回も地域創生というのがございますけれども、そういったことで発展させていこうという気持ちは一緒でございまして、細かい、千何カ所ある中で、我々がそういったことを一々、そのことについて知る由がなかなかない、そういうことでございます。
○重徳委員 全くお答えになっていないと思います。
私が言っているのは、当該特定、鈴与という企業が、時期を問わず、あるいは直接、間接を問わず、国からどこかのタイミングでお金を受け取っていた、あるいは受け取っているんだという状況を見聞きしたことがないのかどうかということでございます。
もう一度お願いします。
○望月国務大臣 それは、会社自体がそういったものは、経営方針とか、会社によってやっていることであって、私たちが、その会社の内容について一々そういったことで連絡をとってやるというようなことはございません。
○重徳委員 ちょっと、きょうはほかにも重要なテーマだと考えている問いを私、用意しておりますので、これ以上この問題に費やしたくはないんですけれども、一言で言えば、それは知らなかった、全く知らないということなんでしょうか。それとも、見聞きしたことぐらいはある、時期を問わずですよ。それから、直接か間接かは別です。ないなら、ないというふうにお答えください。
○望月国務大臣 はっきり言って、会社の経営とかそういったものに関して私は一切、口を出しておるとか、連絡をとっておりません。日本全体の港をこういうような形でよくしていきたいということで、さまざまな皆さんと協力をして海洋国家の日本を発展させていきたい、こういうことでございます。会社の経営の方針については、私たちは関与しておりません。
○重徳委員 もうこれ以上は、恐らく平行線になると思います。今の問いは、恐らく、一般感覚、一般国民が聞いていて、いや、何にも知らないということはないだろうなというのが常識的な感覚だと思います。この点も含めて、さらに説明責任をしっかりと果たしていただきたいと思います。
私、次の質問に入らせていただきます。次のというか、今のは質問というような質問じゃありませんけれども。
まず第一に、総務大臣、高市大臣に御質問させていただきます。
きょうお配りしている資料にありますように、今、投票率というものは、非常に若年層は低いんですね。ですが、そうはいっても、このままではいけないという問題意識はどなたもが持っていると思います。そういう中で、与野党各党が、選挙権の年齢を二十以上から十八歳以上に引き下げようということに合意をいたしまして、近く国会に公職選挙法等改正案を提出しまして、成立は確実だというふうに言われております。
私、前回から主張しております、これから末広がりの日本をつくっていかないと、子供の数もふえていくような、増子化と名づけておりますけれども、そういう社会をつくっていこうとか、本日テーマとして取り上げてまいります年金の持続性、あるいは若者の自殺対策、こういったことにも責任を持って政治が取り組んでいかなきゃいけない。そういう中で、これまでの政治というのは、ともすると高齢者を重視してきた側面があります。
今の政治家の姿勢にとりましては、今回の十八歳に年齢を引き下げるということは、そういう意味では今まで以上に若い世代に目を向ける、耳を傾ける、そういう機会になろうかと思いますが、今回のは一応議員立法ですので、総務大臣としては、十八歳で選挙権を得るということ、これは我々政治家にとってもいいことであるのかどうか、このあたりの御意見を聞かせていただきたいと思います。
○高市国務大臣 議員立法ということでございますけれども、非常に多くの国で選挙権年齢十八歳以上、もしくは十六歳、十七歳というところもございます。これからの時代を切り開いていく、担っていく若い方々が選挙に参加できるということは、大変意義深いものだと思っております。
〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕
○重徳委員 意義深いと、ちょっとさらっとした御答弁でございましたけれども、私は、やはりこれから次世代への責任、若年層への将来に向かっての責任というものが今まで以上に我々政治家にとっては大きくなるもの、このように解しております。その点を大臣が否定されているものではないというふうに私も受けとめます。
そこで、本日、資料を二枚目におつけしておりますが、今後、将来に向かっての年金制度につきまして、ちょっと気になる議論がここのところ政府と与党自民党の間で行われたという記事がございますので、これについて質問をさせていただきたいと思います。
ちょっと、またかという感じがいたしますけれども、次世代に対する、政府はもともと改革を実行しようという案を提出したようですが、自民党の方から異論が出て改革路線が断念というようなものでございます。マクロ経済スライドのデフレ時の適用というものを先送りする、こういうものでございます。
ですが、今回のこの記事をぱっと見て意味のわかる方というのは意外と少ないんじゃないかなと思います。一般の年金受給者の中で、マクロ経済スライド云々と言われたときに、その言葉自体が難しくて。
まず塩崎大臣に、マクロ経済スライドという言葉、これはどういうものなのかというのを、一般の年金受給者の方にもわかるように御説明いただきたいと思います。短くお願いします。
○塩崎国務大臣 そもそもマクロ経済スライドという言葉そのものは、「年金改革の骨格に関する方向性と論点」という、二〇〇四年に議論をしていただいた中で出てきたものであります。
なぜこの名前になったかといいますと、全ては少子高齢化、この進展に基づくもので、どうやってこの年金制度そのものを長もちさせて将来世代もちゃんと受け取れるように、しかし、やはり将来世代の負担が過多にならないように、そして現役世代にも、今もらっていらっしゃる方々と近々もらわれるような方々についても配慮をした中でどうなるかということで、この年金額の改定が、賃金単価の伸びではなくて、今後の労働力人口の減少も考慮したマクロの賃金総額に連動するという考え方をとったところでございます。
今申し上げたように、労働人口が減少する中で、現在の高齢世代と将来世代のバランスをとっていくための措置として考えたということでございます。
○重徳委員 今大臣がいみじくも言われたように、確かに、なぜマクロ経済スライドなんという名前かというのは、これはマクロ賃金総額を勘案したものだというような、そのマクロだとおっしゃるんだと思いますけれども、しかし、今冒頭言われたとおりだと思うんです、全ては少子高齢化に基づく調整であります。
したがって、こんなマクロ経済スライドなんて、聞いただけで、マクロ経済学とかIS・LM曲線とか、何か変な、わけのわからぬ、あれ、何だっけみたいな、そういう目くらましのような名前になっている、私はそんな感じがいたしております。
実際、ことし一月の社会保障審議会年金部会でもこのように言及されております。マクロ経済スライドそのものの仕組みについて多くの方が正確に理解しているとは言いがたい状況である、高齢者にも理解していただけるよう、わかりやすい説明を丁寧に行っていくことが大切であるというわけですから、私だったら、これは、少子高齢化スライドとか、何かもうちょっとぴんとくる名前をつけるところですけれどもね。
専門家の会議でマクロ経済とか言っているのはいいですけれども、なぜもっとわかりやすい名前にしてこなかったのか。一体、これは意味が伝わっていると思われますか、大臣。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のように、なかなかこれを正確に理解している方は少ないというふうに思わざるを得ないところがあって、大変難しいお話になっているかと思います。
要は、先ほど申し上げたとおり、少子高齢化が起きることによって、保険料を払っていただく方々が減って、そして一方で年金をいただく方々がふえる、それをどうやってうまく回っていくようにしていくか。言ってみれば、トータルの保険料の支払い額と、将来推計をして、年金の受取額を総体として考えたときにバランスがとれるかという中で、賃金、物価、そして経済成長、そういったものを考えるので、さっき言ったマクロ経済スライドという話になってくるわけであります。
理解しているかどうかという意味においては、なかなか、そう簡単な仕組みでもないですし、難しいことは難しいわけですけれども、しかし、一言で言っちゃえば、将来の世代の方々がちゃんと一定程度年金を確保できるように、今もらっていらっしゃる方々、これからもらう方々について調整をすることでバランスをとるということかというふうに思います。
○重徳委員 こだわるようですけれども、名称を、例えば少子高齢化スライドとか、スライドじゃなくてもいいです、少子高齢化調整とか、実際に年金をもらっている方に理解できるような、なぜ調整が必要なのかということが一言でわかるような、そういう名称に変えるというお考えはありませんか。
○塩崎国務大臣 これは、法律用語としてマクロ経済スライドという言葉があるわけではなくて、考え方としてそういう調整の名前が、先ほど言った報告書の中で使われたのがそのまま定着してしまったということでありますので、できる限り国民の皆様にわかるように説明をしていく中で、どうするかはまた、もし御提案があれば、御意見も賜りたいと思います。
○重徳委員 今まさに提案をさせていただいているものですから、少しでも検討をいただくような御答弁がいただけることを期待しておったんですけれども。
なかなか伝わっていないんじゃないかと大臣御自身がおっしゃっているわけですし、マクロ経済スライドという言葉が定着しているとおっしゃいましたけれども、一般には全然定着していないわけですから、これはぜひともお考えいただきたいと思います。非常に重要なところだと思うんです。
それで、今回、まさにこの記事にあるマクロ経済スライドは、もともと二〇〇四年に制度ができてからこれまでずっと適用されてこなかったんですね。デフレだから、デフレで、ただでさえ年金が減額されるところを、さらにマクロ経済スライドで減らすということはとてもできないというようなことで、もともと十年前にできたルールが一回も適用されないまま今まで来たというような状況でございます。
これによって、やはりしわ寄せが若い世代にも来ているはずなんです。ですから、この十年間ずっとこれが適用されなかったことによります、経緯は大体承知しておりますが、その影響というものについてちょっとお話をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 なぜ十年間適用されてこなかったかといえば、今御指摘があったように、特例水準をやってきたということで、これは、この間国会議員であった、これに賛成した政党は皆同じ責任を負っているわけであります。
その結果としてどうなったのかということですけれども、一つは、仕組みを導入したのは二〇〇四年なんですけれども、そのときの財政再計算では、二十年後の二〇二三年にスライド調整が終了するということになっていました。残念ながら、この十年間スライド調整が発動されなかったがゆえにスライド調整に要する期間が三十年になって、スライド調整が終了するのは二〇四三年ごろということに今なっているわけであります。
あの当時と比べると高齢者とか女性の労働参加が進んで、厚生年金保険の被保険者が増加したこと等を受けて、経済再生ケースというもの、今回いろいろなケースをやっていますけれども、再生ケースでは所得代替率が五〇%確保できる見通しとなっていますけれども、スライド調整のおくれは、やはり今申し上げた調整期間の長期化、それから今先生御指摘のように将来世代への給付水準の低下につながることから、将来世代への給付水準の確保のためにはスライド調整を極力先送りしないということが大切であるというふうに思っております。
○重徳委員 大臣、要は、今まで二十年で終わるはずだったもの、十年前から始めて二十年ですから、今から十年後にはこのマクロスライドが終わるはずだったところ、まだ全然手をつけていないわけですから、今から三十年かかるということですね。ですから、二十年間毎年一%前後調整されて減らされるというところが、さらにもう十年減らされるということですから、これはもう大きなしわ寄せが次の世代にのしかかってくるということでございます。
そこで、今回、これは先月二十四日でしょうか、自民党の厚労関係部会に、デフレ時にやはり引き続きマクロ経済スライドを適用するのはやめよう、こういうことが了承されたというか、つまり、政府はデフレ時にも適用するべきだと言ったところ、自民党の方から、それじゃだめだ、さらに先送りをするべきだということに、いわば負けたという状況、押し切られたという形だと思うんです。
しかも、デフレのときに調整をかけないかわりに、そこでかけられなかった分はいずれインフレが起こったときにその分まとめて後で適用しようということですから、これは先送りも先送りです。そのときに一体そんなこと、ちょっと、インフレで物価が上がったときに、二年分まとめて、三年分まとめてマクロ経済スライドをそのときにかけるなんという、こっちの方がよっぽどハードルが高いように思うんです。
そういうことを考えても、デフレのときでもきちんと、それは、今の御年配の方には本当につらい、申しわけないことかもしれないけれども、それでも、ここは将来世代と痛みを分かち合って、そういったことを政治家としては、高齢者の方々にいわば迎合するんじゃなくて、むしろ、こういうことだから皆さんに何とか納得していただいて我慢していただく、こういう努力をしていかなくちゃいけないと思うんです。
このように、簡単に、あっさりではないかもしれませんが、断念してしまうということは、私は非常に問題があると思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕
○塩崎国務大臣 繰り返し申し上げますけれども、将来世代の年金受け取りを確保するためにこの調整を行うということであるわけでありますから、極力先送りはしない方がいいというのは、先生の御指摘のとおりだと思っています。
今回のことは、今先生、断念というお言葉をお使いになられましたけれども、むしろ時間をかけて調整をしていくということを決めているわけで、マクロ経済スライドを、デフレ下でも導入しないということについて、断念をしているわけではなくて、むしろ、これからは緩やかなインフレに持っていこうということで、二%のインフレ目標なども設けながらやっているのが経済政策アベノミクスであるわけであります。
その中で、ことし調整し切れない分については来年、もしそれでまだ残ったらその次ということで、できる限り調整は続けていくということでいくわけでありますから。
やはり、先生のように、将来世代を考えたときには、経済政策でもって、一つは、少子化を解消してできる限り労働参加をふやしていくことと、成長率を高めていくことで賃金が上がっていく、物価もそこそこ安定的に上がっていくということを確保する中にあっては、このスライドは調整をできるだけ短い期間でできるということでもございますので。この年金の制度だけで全てをやろうと思ってもなかなか難しいのであって、経済政策と年金の政策とは一体のものとしてやっていかなければいけないので。
ですから、このスライドを今オーバータイムで調整するにしても、しかし、経済政策でちゃんとそれが長引かないようにしていくことをやることも、同時に大変重要な経済政策だというふうに私は思っております。
○重徳委員 大臣、極力先送りするべきではないとまでおっしゃっているわけですから、経済再生ケースの一番ベストなパターンのことですから、余りに将来に対して楽観的過ぎて、これまでの年金制度というのは、戦後一貫して、負担は軽い方へ、そして受益は大きい方へとずっと先送りの歴史で、ついに人口減少局面まで迎えてしまったということでありますので、これから本当に加速度的に将来世代への痛みが、しわ寄せがふえていくということを今の現役世代の我々議員がよくよく認識して、覚悟を持って臨まないと本当にこれは恐ろしいことになっていくと思っております。
またこれは時間をつくって指摘をさせていただきたいと思いますが、ぜひとも覚悟を持った政治というものを実現していきたいというふうに、これはもう与党も野党もなく一致協力して将来世代には責任を持たなきゃいけないというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。お願いするといっても、お願いしても何も聞いてもらえませんので、非常に残念なんですけれども、また引き続きこれは指摘をしてまいります。
それから、次に、自殺対策の予算について議論させていただきたいと思います。
御存じのとおり、日本というのは、数年前まで自殺者が年間三万人を超えているという状況でございまして、ここ数年は少し改善されてきたとはいえ、依然二万五千人以上の皆さんがみずから命を絶っている、そういう国でございます。世界的に見ても、これはもう異常な国だと言っていいかと思います。
これまで自殺対策につきましては、主に参議院議員の先生方が中心に、議連を立ち上げたりして取り組んでこられた歴史があるわけであります。そして、民間の団体、NPO法人ライフリンクの清水康之さんなどを初めとした民間団体のネットワーク、あるいは首長さん方の市区町村協議会といったものが、さまざまな自治体、民間レベルで取り組みが進められて、そういう中で、平成二十四年からは十五年ぶりに自殺者の方の数が三万人を下回ったということであります。
一昨年の平成二十五年の秋には、それまでは参議院議員の先生が中心と申し上げましたが、衆参の超党派の議員連盟、自殺対策を推進する議員の会というものが発足をいたしました。私自身も副会長として参画をいたしておりまして、安倍総理にも一層の対策の推進を申し入れをいたしたところでございます。
ですが、ここへ来て、問題は、少しずつですが自殺者の数が減っているとはいえ、中高年世代の自殺者の数は減少傾向でありますけれども、しかし、若者の世代が高どまりをしているんです。特に二十代、三十代の死因の第一位は自殺、さらに二十代の方の死因のおよそ半分が自殺ということで、もちろん病死とかそういう全体の数も二十代は少ないんですが、そうはいっても、これは世界的に突出した数字であります。
さまざまな各方面から早急な対策を強く求める声が寄せられておりまして、この議員連盟では、議連の中に若者自殺対策ワーキングチームというものをつくりました。ここにも私は事務局長として参画をいたしております。このワーキングチームでさまざまなところから精力的にヒアリングを行った結果、去年六月に、若者自殺対策に関する緊急要望を官邸の方に、菅官房長官に提出いたしまして、かなり前向きな感触をいただいたところでございます。
この緊急要望の内容は大きく三点で、命や暮らしの危機に陥った若者が、助けの求め方そのものがわからない、相談機関や支援策の存在を知らない、そのままに自殺へと追い込まれてしまうという状況を解消しなきゃいけない、これが一つ。
自殺で亡くなる特に若年女性、四十歳未満の女性の約半数は自殺未遂の経験もあるということでありまして、自殺未遂をしたことのある方のケアというものに力を入れなければならない、これが二つ目。
そして、三つ目には、そのほか、相談にたどり着けない、つながりにくい若者、特に高校を中退した方とか進路が未決定の方など、こういう方に対するアウトリーチ、手を差し伸べる、こういうことをしていかなきゃいけない、こんなような提言でございます。
この私どもの要望も踏まえて、内閣府の自殺対策推進室を中心に検討いただいて、昨年夏には概算要求をしていただいたと思うんですが、来年度予算にはどのように盛り込まれたのでしょうか。
○有村国務大臣 毎年度、当初予算において、自殺を未然に防止する職場におけるメンタルヘルス対策など、各種の施策を実施するための所要の予算を計上いたしております。
これに先んじての補正予算でも二十五億円確保しておりまして、委員がおっしゃるように、若者の減り方が少ないということ、そして、この三年間連続して三万人を下回っていますが、それでも、一日七十人という命を絶っている人が、毎日毎日起こっているという計算を鑑みると、まだまだ手を抜くわけにはいかぬということで、予算の計上、補正予算それから本予算ということはありますけれども、引き続き力を入れていきたいと考えております。
○重徳委員 今、有村大臣の御答弁は、補正予算、本予算ということもありますけれどもということは、本予算ではないけれども、そういう意味でおっしゃったわけですね。概算要求はされているはずですけれども、本予算ではない、そういう意味でおっしゃったんですね。
○有村国務大臣 事実上そういうことになります。
当然、私たちは、予算の区別にかかわらず、引き続き手を抜くことなくここを強調したいという思いでございますが、当局との折衝ということもございます。
○重徳委員 私もわかっていて申し上げているんですけれども、つまり、二十七年度当初予算を昨年概算要求していただいたはずなんですが、そこには盛り込まれずに、この間成立しました二十六年度の、この年度末の補正予算の方に、補正予算ということはあくまで緊急的、臨時的ということだと思うんですが、そういう予算としてこの若者自殺対策が盛り込まれたわけであります。
ですけれども、問題は若者だけではありませんが、こうした相談事業を充実させなきゃいけない。それから、相談にかかわる人材ももちろん育成しなきゃいけない。さらに、今申し上げました自殺未遂者の支援といったことは、非常に息の長い、人も育てていかなきゃいけない、根気強い、そういう取り組みなんです。ですから、毎年、年度末のつくかつかないかわからぬような、そんな補正予算として盛り込まれる性格のものではないと思っております。
自殺対策、これは長年の我が国においての課題であります。自殺対策を恒久的な制度にすることがぜひとも必要だと私は、私だけではありません、超党派の議連の総意として考えているわけであります。
しかも、この自殺対策の予算は、実は平成二十一年度から基金事業として始まっています。二十一年、二十二年、二十三年の三カ年度において基金事業で百億円。ですから、毎年三十億円程度ですね。さらに、その後も、二十四年度、二十五年度、二十六年度、三十億円ずつ、これも補正予算で措置がされ、そして、六年も続いたので、七年目はそろそろ本予算だろうということで二十七年度の特別枠として要求をしていただいたと聞いておりますが、消費税増税の延期とともにでしょうか、枠がなくなったということでしょうか、補正で予算化をされたということでございます。
これは、国で本予算じゃなくていつも補正でついているということになると、さっきから言っているように、これは自治体だとか民間団体が必死になって取り組まなきゃ実現できない事業でありますので、これについては国の本気度が疑われますし、自治体だって非常に取り組みにくい状況になります。
そういう意味で、もう一度有村大臣にお聞きしますが、二十七年度当初で要求していたのに二十六年度補正になってしまったというのは、これはやはり、今申し上げましたような意味において、執行ベースの意味において、おかしいと思われませんか。
○有村国務大臣 委員御指摘のように、二十七年本予算で二十五億円を要求していたところ、二十六年の補正予算で緊急的に措置をいただいております。
その背景には、委員当然御案内のとおり、去年の自殺の減り方がとまってしまって、去年の秋から三カ月連続で自殺者数が前年度同月比でふえてしまった、早く手を打ちたいという思いがあったことも御報告させていただきたいと存じます。
○重徳委員 そういう意味では緊急的だったというようなことを今、御趣旨としておっしゃりたいんだと思いますけれども、本来のあり方として、やはりこれはおかしいんですね。二十六年度補正で組んだからといって、これは二十六年度中に消化をする予定の緊急的な予算ではないわけですから。あくまで二十七年度に執行することになる予算で、事実上そういう予算でありますので、この状況は変えていただきたいと思います。
これを要求する事業官庁側としても、今申し上げましたような意味でもちろんそうなんですが、財政当局としても、これは、常に問題だということでこの委員会でも補正予算のときから、そして今の本予算の審議においてもずっと問題にしてきたことでございます。当初予算の枠に入らないけれども補正で措置をするとか、それは後ろ倒しもあれば前倒しもある、補正予算というものを余りに便宜的に使い過ぎである、財政規律の問題もあると、この委員会で多くの委員から再三指摘をされたところだと思います。
その意味で、査定側の麻生大臣にお伺いしたいと思うんですが、この事業の必要性の精査というのはもう要らないぐらいに本当に毎年毎年予算がついているわけで、これは本来の当初予算の方に、きちんと枠の中におさめるというのが財政当局の腕の見せどころだと思うんですが、ここのあたり、大臣、いかがお考えでしょうか。
○麻生国務大臣 自殺者、これは、三万人を超えておりましたのが減ってきたというのは御存じのとおりですが、昨年まで、七月マイナス二百七十、八月マイナス十と、ずっと減ってきたんですが、九月からいきなりプラスに変わって、プラス五、プラス六十六、プラス四十と、ずっとふえてきたというのが補正というものになった一番大きな背景なんだと思います。
地域自殺対策緊急強化交付金の二十五億円のことだと思っておりますので、それに対するお答えは今申し上げたとおりです。
ただ、今、二十七年度当初の一・五億円というようなお話があっておりましたけれども、これは先生よく御存じなんだと思いますが、この自殺対策は内閣府だけでやっているんじゃありませんから。
したがいまして、どこでやっているかといえば、各府省でやっておられます。例えば、厚生省等々、文部科学省等々、関係省庁全体で見ますと、二十七年度分については今集計中ですけれども、二十五年度当初予算においては三百四十億、二十六年度当初予算においては三百六十一億を計上しておりますので、これは継続的に取り組んでいる、三百億円単位で取り組んでいるという部分もちょっと忘れて一億円だけの話をしていただくと偏りますので、聞いている人は間違えちゃいますので。
一億とか一億五千万というのは、これは内閣府が計上しているものです。しかし、その他の省庁で自殺対策で計上しているものは、三百億、三百六十億でやっているという点もちょっと御記憶をいただかぬといかぬところだと思います。
○重徳委員 他の省庁の分ももちろんあるというのは承知をしておりますが、今問題にしているのは二十五億円のことであります。
今回はもう補正で措置済みの話でありますが、次回からは、本予算の方で恒久的な予算として事業化をしていただくことを、麻生大臣、確約いただけないでしょうか。
○麻生国務大臣 補正予算になって、この効果が出てきてまた下がってくれば、また別の話でしょうし、いろいろな事情を考えて、補正予算というのは緊急に対応していくものだと思いますので、今の段階で御確約申し上げられるというような状況にありませんが、出さなくてもいいような状況になりたいと思っております。
○重徳委員 これは、先ほどから御紹介している議員連盟の与野党議員の共通した思いでございますので、補正で対応ということ自体が問題だというふうに再度申し上げておきます。
そして最後に、今の話で、マクロ経済スライドにしても、非常に、私に言わせれば本当に覚悟なきというか、将来への先送りといったような判断の仕方だと思います。プライマリーバランスの黒字化というものも二〇二〇年に迫ってきておりますが、現状、九・四兆円まだ足りていないという状況でございます。
これはもう一〇%の消費増税も織り込み済みで、なお九・四兆円足りないというわけでありますので、本当に聖域なき歳出削減、歳出構造改革をしていかなきゃいけないと思いますし、日銀がずっと続けております金融緩和によりまして、国債発行に対する痛みというものも感じにくい状況になってしまっています。
財政危機のシグナルが国債の金利という形で非常に出づらい状況になっておりまして、本当に緊張感を持って、先送りをしないという姿勢で取り組んでいかなければならないと思いますが、この点、甘利大臣の覚悟のほどを、決意のほどをお述べいただきたいと思います。
○甘利国務大臣 御指摘のように、二〇二〇年にプライマリーバランスを黒字化するためには、経済再生ケース、つまり経済再生がうまくいった方のケースでも、九・四兆のまだすき間があいている。この九・四兆というのはSNAベースでありますから、当初予算、国費ベースでいいますと九・一兆円であります。それをどう削減していくか。
これは、社会保障とか、それから地方財政とか、大どころのものについて予算のコストパフォーマンスを上げていく。制度改革を、社会保障でいえば一九七〇年型から二〇二五年型にしていく。そういう中で、サービスの質を落とさず予算の効率を上げていく。
そのために、社会保障情報の見える化を図って、無駄とか、あるいはより効率のいいやり方とか、それを探っていかなければならないと思いますし、そして、どういうふうな工程でいくかということはこれから設計をしていきますけれども、いずれにいたしましても、経済成長をさらに加速化させることも含めて、社会保障支出の見直しについては、聖域なくやっていかなければならないというふうに思っております。
もちろん、社会保障サービスの質を落とさずにやるということをしっかり念頭に置きながら、取り組んでいきたいと思っております。
○重徳委員 きょう申し上げてきましたマクロ経済スライド、もうルールを決めたわけですから、それにのっとってやるだけのことなんですから、新しいルールで高齢者の方に厳しくするという話でも何でもありませんので、これはやはり、きちんと一つずつ実行していかなきゃいけないと思います。
自殺対策の予算も、変なつけ方をしていると財政規律そのものがゆがんできてしまいます。これはもう本当に、これから参政権を得る十八歳、十九歳、若い方にも顔向けのできないありさまだと私は考えます。
何とか、今本当に、待ったなし、待ったなしという言葉がいろいろな場面で使われますが、この予算委員会の場も含めて、政府、与党、野党みんなで覚悟を決めて取り組んでいく、身を切る改革もついでに申し上げておきますが、政治家の覚悟として、みんなで実行していかなきゃいけない問題だと思います。
これだけ申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。