○竹下委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。
次に、重徳和彦君。
○重徳委員 改革結集の会の重徳和彦です。
私ども、今回の予算委員会では一貫して、この改革結集の旗印、四項目を掲げ続けてまいりました。そういう中で、野党ではございますけれども、さまざまな政策提言をさせていただいております。消費税増税は、今の経済情勢、また身を切る改革が不十分という理由で凍結するべきではないか、そして議員定数の削減は四の五の言わずに即実施するべきだ、こういうようなことを申し上げてまいりました。昨日も、これは私自身ですけれども、TPPに伴って恐らくたくさん入ってくるであろう輸入牛肉に成長促進ホルモン剤が投与されている、こういうことについては食品表示をするべきじゃないか、さまざま申し上げてまいりました。
そこで、ここで麻生大臣に一つ聞いてみたかったことがあるんですが、そもそも、議員から政策提言が行われる、これは、平常時の提言というか要望活動もありますし、あるいは国会の各委員会で提言をすることもあります。これが、言っている内容は同じでも、言っている人間が与党に所属している議員なのか野党に所属している議員なのかによって予算のつけ方が違う、こういうことはありますか、大臣。
○麻生国務大臣 単に、与党だから、野党だから、もしくは重徳だからとか、いろいろな理由で予算を手当てしているというわけではありませんで、これは、その時々、さまざまな観点から、日本にとって重要な課題というものに対応していろいろ御意見が出てくると思いますが、我々は、基本的に、いわゆる財政再建と経済再生というこの二つを両立していくという観点というのを基本に据えて予算というものを政府として最終的に編成する。基軸はその二つに置いております。
○重徳委員 要するに、与党だから、野党だからという違いは、一言で言えば、ないというようなことを今大臣は答弁されたと思いますが、私ども、野党として活動しておりますと、どうしても、これは私だけじゃなくて多くの野党議員は、どうも与党の議員さんは、地元で、自分は与党だから何でも陳情してくれれば実現するから、予算をつけるからということを吹聴して回っておられる方も多くいらっしゃる、そういう声がよく聞こえてくるんですが、それは正しくないということを今、麻生大臣がおっしゃったんだと思います。
それから、この予算委員会においても、野党議員から多くの提言がございました。きょう聞く中でも、私、民主党の玉木委員が、トイレとお風呂が二つあれば、そうすれば補助金がつく、これで子供がふえるんだろうか、こういう疑問はそのとおりだなというふうに思いますし、あるいは軽減税率も野党各党が異論を申し上げております。給付つき税額控除の方が制度としてすぐれているのではないか、こういうことも申し上げております。
そこで、総理に質問させていただきますが、本委員会はこれまで一月初めから議論してまいりましたが、この委員会におけるこれまでの野党のさまざまな提案の中で、これは政府・与党の案よりも野党の委員が言っていることの方がいいなと、なかなか表向きは言えないと思いますが、実は思っていたというものは一つでもありますか。
○安倍内閣総理大臣 予算委員会においては、二月三日から、財務大臣から提案理由を説明させていただいて以来、本日まで大変熱心な御議論をいただきました。その中におきまして、大変多岐にわたる観点から御議論を伺ったと思います。その中には、反対のための反対ではなくて、建設的な観点からの意見と受けとめられるものもあったな、そうした考え方において傾聴に値するお考えもあったということは率直に認めさせていただきたい、こう思っております。
しかしながら、来年度の予算としては、やはり政府として提案させていただいている予算が最善のものであると考えておりまして、最大の景気対策は、二十八年度予算を早期に成立させていただき、国民の皆様にお届けすることではないか、このように思っております。
○重徳委員 総理御自身も、建設的な観点からの意見もあった、あるいは傾聴に値するものもあった、ここまでお認めになりながら、しかし政府案を何が何でも通したいんだ、こういうことだと思います。
私は、やはり自民党の従来型の陳情型政治、こういうことでは経済は自立しないと思います。補正予算の話ではありますが、高齢者一千百万人に三万円ずつ、これはもう選挙対策以外の何物でもないという批判まで起こっている次第であります。こういうばらまき型の予算というものは、私は一切やめるべきだと思っておりますし、そのように申し上げてまいりました。
麻生大臣に質問しますが、今総理は政府予算案が最善であるとおっしゃいましたが、麻生大臣としても、今回の当初予算案、無駄な予算は一円もないということを断言することはできますか。
○麻生国務大臣 無駄の排除というものは、我々は常に取り組んでいかねばならぬのは当たり前の話なので、行政事業レビューにおいても、国の事業というのは大体五千からもう少しあるんだと思いますが、それについても各省庁においてそれぞれいろいろ点検をさせて概算要求やら事業の執行等々で反映させるということになっているんですが、この点検が十分かどうかということについても、行政改革推進会議のもとでいわゆる有識者による秋のレビューにおいて議論を行って、その結果、具体的な改善策というものにつなげているところであります。
二十八年度の予算に当たりましても、これは必要性とか効率性とか有効性とかいろいろなものはあろうかと思いますが、こういったものにかなりきちんとした精査をさせていただいて、無駄というものに関していろいろな観点から、行政のニーズにとって本当に必要ですかという点については、我々としては、予算としては真剣に考えた結果だと思っております。
○重徳委員 すぱっと、無駄はないというところまで断言はしておられないということからしても、やはり最初の質問で申し上げました、与党だろうと野党だろうときちんとした提言をして、それを政府に今まで以上に受けとめていただいて、取り入れていただきたいと思います。
この後、組み替え動議がさまざまありますけれども、今までのところ、どうしても形ばかりになってしまいます。しかしながら、これをもっともっと実質的にして予算案をお互いぶつけ合う、こういう中身のある予算委員会にこれからもしていきたいということを感じておりますので、ぜひとも、政府・与党、野党、力を合わせてそういった充実した委員会審議になることをお願いというか要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて重徳君の質疑は終了いたしました。
これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
以上をもちまして平成二十八年度予算三案に対する質疑は全て終局いたしました。