○御法川委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 重徳和彦でございます。
きょうは、金融機能強化法の改正の部分について質問させていただきます。
先ほど来、話が出ておりますように、金融機関への公的資金の注入、投入というのは、ここ二十年来の歴史があります。
そこでまず最初に、過去の公的資金投入について、検証ということも含めて質問をさせていただきます。
去年の六月ですが、りそなホールディングスが公的資金を完済しました。根拠法は早期健全化法、一九九九年、平成十一年に始まって以来ですから、十六年三カ月かけてようやく完済という形でございました。その早期健全化法に続いて二〇〇三年には預金保険法に基づくなど、総額で三兆円以上の公的資金が投入されたのがりそなであります。単体としては大変巨額な公的資金の投入だったと思います。
また、あおぞら銀行も昨年ほぼ同時期に完済をしまして、これでいわゆる金融危機における公的資金については、残すは新生銀行のみという状況になっております。
金融危機におきますこのような何千億、兆単位の公的資金の投入というのは、金融危機もありましたし、その後もデフレが続いて、リーマン・ショックもあって、東日本大震災もあってということでさまざまな景気悪化要因があったわけでありますが、それにしても、十五年を超える、十六年、十七年という大変長期間にわたる完済までの期間だったというふうに思います。
この期間そのものも本当に妥当な期間だったのかということもあえて問いたいと思うんですけれども、当然、早期健全化法、預金保険法、そして二〇〇四年からはこの金融危機の強化法なんですけれども、少しずつ条件も緩和されつつでありますが、今申し上げましたりそなとかあおぞら銀行に対しましては、かなり厳しい経営健全化計画が課されて、金融庁からの指導監督もなされたというふうに認識をしております。
完済された後のことではありますが、あえてお尋ねをいたしますけれども、とにかく金融システムのシステミックリスクというものに対する対応だという大義があってこのようなことが始まったと思うんですけれども、いわゆる金融システムの安定化という時期はもうかなり前に過ぎていると思うんです。にもかかわらず、りそなやあおぞら銀行は完済まで相当期間を費やしたということに対しましてどう考えるかということなんです。
つまり、二〇〇六年ぐらいにはメガバンクが公的資金をあらかた完済して、いわばその時期には金融システムの危機はほぼ解消されたというふうに見れば、個別金融機関の救済的な部分というのは一刻も早く済ませる、完済させるというのが当然の順序じゃないかという考え方もあるんですけれども、そのあたりについてどのような対応をされてきたのか、御答弁をお願いします。
○遠藤政府参考人 議員御指摘のとおり、公的資金の注入というのは、金融システムの安定化等のために行われるものであります。個別金融機関の救済そのものを目的としたものではございません。
ただ、一方で公的資金の返済につきましては、これは、公的資金を注入した個別の金融機関からの返済を求めるものであります。金融システム安定性確保以外にもしんしゃくすべき要素が存在するのではないかと考えております。
これについては預金保険機構が、公的資金の返済等の申し出があった場合の三原則というものを掲げております。この三原則というのは、金融機関の経営の健全性確保、国民負担の回避、それから、金融システムの安定性確保というものでございます。
具体的には、金融機関の経営の健全性確保というのは、公的資金返済の後においても当該金融機関が十分な自己資本比率を確保できるかというもの。国民負担の回避というのは、取得価格以上の適正な価格で株式等の処分が可能かというもの。それから金融システムの安定性確保というのは、株式等の処分が方法、規模等から見て市場に悪影響を与えるものではないかというものでございます。
金融機関からの公的資金返済の申し出については、これらの点を総合的に勘案して対応してきたということを御理解いただきたいと思います。
○重徳委員 一般的なメルクマールは今御答弁のとおりだと思うんですが、もうちょっと踏み込んだ聞き方をすれば、要するに、他の大手行が六、七年ぐらいで完済できたのに、りそなやあおぞら銀行、そして今は新生銀行がまだ完済できていないんですが、これは何が違うんでしょうか。
○遠藤政府参考人 個別の金融機関の返済に関しては、個別の金融機関とも、彼らもできるだけ公的資金の返済を早急に行いたいということで、金融庁といろいろな議論を行ってまいりました。
やはり、それぞれの金融機関の収益性がどの程度確保できているか、それによってどれだけ返済財源というものを確保できているか。実際にそういったものが確保できる見通しが立ったときに、実際にその返済を行うかどうかということに関しては、先ほどの預金保険機構の三原則ということに照らして、個々別々に判断してきているということでございます。
○重徳委員 総合的に勘案するというのは、それはそれで一つのマジックワードなんですけれども、先ほど来議論ありますように、最終的には国民負担という国民へのリスクにもはね返り得るという意味においては、この長期間のスキームというものは、スキームというか長期間の完済までの期間というものは、それそのものが国民にとってのリスクだという見方ができると思うんです。
そういう認識をきちんとお持ちかどうか、この点、再度確認をしたいと思います。
○遠藤政府参考人 そういう認識は持っております。
個別の金融機関、公的資金が注入された金融機関との協議におきましても、できるだけやはり早期に公的資金を返済してほしいという議論をしておりますし、金融機関側も、公的資金というものは、自分たちの返済財源というものを確保してできるだけ早期に返済するということを申しております。そういった協議を今まで続けてまいりました。
○重徳委員 この長期にわたる完済までの期間ということは、一般国民からすれば、金融危機で二十世紀の終わりごろに激しい議論が行われていたころには、まさに、そのことの是非について大変厳しい議論、批判もある中での議論だったと思うんですけれども、何となしに、時もたち、そして、ぼちぼちですけれども返済もできてきているという感じからして、何か国民的な関心というか、公的資金を投入、注入することに対するアレルギーというものがなくなってきた、薄れてきた、こういう感覚的なものもあるんです。
しかし、我々はそういったことについての意思決定をする大変重要な場にあるわけですので、この点について、今問いただしました点について、そしてもう一つは、今後、この金融機能強化法をもって、今後というか、今も続いていますけれども、公的資金の投入のあり方、そしてその意義について、きちんと検証をしていく責務があると考えております。
その意味で、いわゆる金融危機、一九九八年、九年、こういったころに投入された公的資金は今お話ししたようなことなんですけれども、その後、金融機能強化法、平成十六年からスタートしておりますが、この法律に基づいて金融機関に対しまして投入をしました公的資金、これが、法律の趣旨としては、地域経済の活性化というようなことも含めてこの金融機能強化法がスタートしたはずなんですが、この公的資金の投入、一体、地域経済の状況との関係でこれはどのように結びついているのか、結果が出ているのか、この点についてきちんとした検証がなされているのか。この点について大臣にお尋ねします。
○麻生国務大臣 国が資本参加しました金融機関というのはほとんど、あの時期はそういう時期も一時期あったんですが、公的資金で増強されました資本というものを活用して地域経済の活性化に資するような方策というものを実施することが求められたのが、各金融機関に対する我々の最初のあの状況下における要請の内容であります。
具体例として申し上げれば、中小企業支援というのは特にその主たる内容になったんですが、大きく分けて、企業の販売力といったような事業の内容等に着目をして、質屋をやっているんじゃないんだから、担保とかなんとかにこだわったばかりじゃだめという話をして、保証に依存しない融資の推進というのが一点。
それから、創業とか新しく事業を切りかえていくに当たって、新事業の支援によって、地域に残って新しい産業を起こすということになりますので、いわゆる雇用創出、産業創出というものの点。
それから、企業はその地域で一生懸命やっていても、どういったものとくっつけるとさらにという、片仮名で言うビジネスマッチングということなんですが、そういった取引先の企業というのを一番よく知っているのは、金融機関が両方に貸していることがありますので、ああ、これとこれとをくっつけたらいい話になるんじゃないのかというような話というのは、転勤をしょっちゅうしょっちゅうやっている大銀行と違って、地域銀行の場合はそういうのがかなり地元に密着しておりますので、そういったもの。
加えて、これはもう先行きありませんよということで、債権の放棄等々を含めて、抜本的ないわゆる事業の再生というようなものを支援するといったものが基本的なことで挙げられるんだと思うんです。
いずれにしても、経営強化計画というようなものの履行状況というもののフォローアップというのをずっとやってきて、引き続きこうした取り組みというのを促しておるところでありまして、いろいろな意味で、これが地域における銀行間による協力もありましょうし、うちの銀行じゃできないけれども、おたくの銀行でどうというような話も出てきているところも確かでありますので、そういったようなことを含めて効果を上げているものだと理解しております。
○重徳委員 ぜひ数値的な検証もしていくべきだと思っておりますので、今はお手元には詳しい数字はないのかもしれませんけれども、事務方の方ともまたちょっと検証の方はやっていきたいと思っております。
それから、ちょっと違う切り口なんですけれども、これは考え方なんですけれども、国は、地域の振興ということそのものが地域益、国益だという観点からこうした公的資金の投入をしている。こう見れば、地域が潤えばそれでいいという考えもあるんですが、一方でやはり、投資をする以上は、それに対するリターンというものもある。そして、それが金融危機、経営危機を迎えたような金融機関に対する投入であれば、なおのこと、リスクプレミアムというものも含めたリターンがあってしかるべきじゃないか。
いわば投資家的な観点からすれば、つまり、国がお金を出した以上、その見返りはどうなんだ、こういう金銭的な検証ということも、それが全てではないけれども、そういったことも最終的には国民負担になり得る、そういうリスクもあるんだということからすると、ここはきちっと見ておかなくちゃいけない点だと思うんですが、そのあたりをどのように見ておられるんでしょうか。
○武村大臣政務官 お答えいたします。
金融機能強化法に基づく資本参加につきましては、金融機関からの申請に基づきまして個別に判断されるものであること、また、中小企業の事業者に対する金融円滑化等を通じまして地域経済の活性化が図られることを目的としているところでございます。
したがいまして、今委員が御指摘をいただきました投資収益率、こうした概念については、そもそもなじまないのではないかというふうに考えます。
なお、金融機能強化法に基づきまして資本参加をした金融機関のうち、現在までに公的資本の返済が行われた五先につきましては、国の資本参加額千八百五億円に対しまして百九十九億円の利益が生じているところでございます。
○重徳委員 その百九十九億円の利益というのが果たして見合っているのかどうかということぐらいは、やはり、その評価というものも私はすべきじゃないかと思っております。
公的資金の投入については、性格がここ二十年の間に大分変わってきていると思いますので、しかしながら、先ほどちょっと申し上げました、新生銀行なんかはまだ返せてないわけなんですよ。そこから一体返ってくるのかどうか。それすらわからない状況なわけであります。
したがって、ポートフォリオじゃないですけれども、ちゃんと見返りがあって、百九十九億なら百九十九億、上乗せで返ってきましたよという部分と、新生銀行、一金融機関のことを余り言ってもあれかもしれませんが、本当にそこのリスクというのはどうなんだと、そういう投資家的な観点から国もこの公的資金の投入について考えておく必要があるんじゃないかと私は考えます。
今は本当に、さっき言いましたように、国民的には何となくなれちゃって、何かまだやっているのというぐらいの感覚の方が一般の国民の皆さんはあると思うんですけれども、しかし、こういう、時間をかけて総合的に勘案しながらその資金の回収に当たっているということであればあるほど、ここはやはり、当事者、主体である国の立場から、そこの損益についてきちんとした認識を持つ必要があると思うんですけれども、そういった損得みたいな部分についてどのようにお考えなんでしょうか。
○武村大臣政務官 繰り返しになる部分もございまして大変恐縮ですが、今回の金融機能強化法に基づきまして資本参加を行うかどうかは、各金融機関からの申請に基づきまして個別に判断することとなっております。その際は、審査基準に基づきまして、個別の金融機関に対する資本参加ごとに、公的資金の回収が困難でないかどうかを審査を行っているところであります。
またこれも繰り返しになりますが、強化法に基づく資本参加は、中小規模の事業者に対する金融円滑化等を通じて地域経済の活性化が図れることを目的としております。
こうした点を踏まえますと、委員が御指摘をいただきましたポートフォリオ的な考え方をとることは、その性質上、なじまないものであるというふうに考えます。
○重徳委員 大体お考えはわかりました。
では次に、今回の改正においてもそうですし、それから、二〇〇四年の金融機能強化法がスタートしたときからの趣旨でもあったと思うんですが、今後の地域金融機関の再編ということについての御認識をお尋ねしたいと思います。
もともとの法の目的、平成十六年、二〇〇四年にスタートしたときから、その当時は、大手銀行に比べてまだまだ不良債権の処理が進んでいないというこういう観点も、地方の、地域の金融機関に対してはあったと思うんですが、それのみならず、今後の、先ほど来話があります少子高齢化、人口減少という状況の中で、地域が経済活性化していくという観点からも、安定した金融の仲介機能、あるいは貸し出し、そして預金といったものが安定的に行われるようになるためにも、金融機関の再編ということが一つの眼目であったはずです。
この金融機能強化法に基づく公的資金の投入は、地域金融機関の再編ということを促す、そういう意味合いも込めて今後この法律を執行していくというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○麻生国務大臣 金融機能強化法というのは、金融機能の強化を目的に地域において金融というものを円滑に進めるというのに、金融の円滑化に貢献し得るというのが金融機関に対して我々は要請しているわけですけれども、それによりまして、金融機関の申請に基づいて国が資本参加するという形になっております。したがいまして、金融機関の再編を促すというものを目的として法律をつくっているわけではありません。
金融機関の経営統合、再編というのは、これは御指摘のありましたように、いろいろ今は地域によって大きな問題になりつつあるところもないわけではありませんけれども、これは基本的には、各金融機関がその地域において自分の銀行の経営を考えて、自主的な経営判断というものに基づいて決定されるべきものだと思っておりまして、金融庁がむやみに関与するというのはいかがなものかというように考えております。
○重徳委員 民間の自主的な判断ということでありますが、その民間金融機関の現在置かれている環境について、きょうは黒田総裁がお越しですので、お尋ねしたいと思います。
これはもうさまざまな日々の記事あるいは金融庁からのレポートなどなどを拝見しても、特に、地域のいわゆる地銀、あるいは第二地銀、信用金庫、信用組合といったような地域の金融機関は、都市銀行に比べて依然として、貸出金利息、資金運用益といったものにその収支構造、収益構造をかなり依存しているという状況であります。
そういう中で、地域の金融機関はいわゆる業務純益も相当減少しております。まして、過去、高金利だった貸出金も最近は金利が著しく低下しているわけですから、そういう意味でも、利益を上げるその糧となる部分が大幅に減少しておりますし、かといって、資金の調達をする面においても、もはや調達をこれ以上コストをかけずにいくというところにまで及ばないぐらい、それ自体の、調達における金利の水準も下がっているわけですから、これはかなり金融機関の状況自体が厳しい状況になって置かれていると思います。
こうしたことも、ここ数年の金融緩和、マイナス金利政策といったことが非常に大きく影響していると思うんですけれども、今の状況について、特に、地方の、地域の金融機関への影響について総裁から御見解をいただきたいと思います。
○黒田参考人 確かに、地域金融機関、いわゆる地域銀行の今年度の中間決算を見ますと、全体としては、基礎的な収益力を示すいわゆるコア業務純益、あるいは最終利益である当期純利益とも、対前年同期比で一七、八%の減益ということになっております。
こうしたことの背景といたしましては、委員御指摘のような低金利環境、あるいは、競争の激化などによる貸し出し利ざやの縮小、国債利回り等の低下による有価証券利息の減少、あるいは、投信販売手数料など役務取引等の利益の減少などが要因として考えられます。
もちろん、地域銀行は、昨年度、史上最高水準の利益を上げておりますので、一七、八%、例えば当期純利益が減少したといたしましても、依然として高い水準にあることは事実でありますけれども、御指摘のような利ざやの縮小、コア業務純益の低下傾向ということに鑑みますと、地域銀行の今後の収益というのはそう楽観できるものではないと思いますので、こういった状況については十分私どもとしても注視してまいりたいというふうに思っております。
○重徳委員 今おっしゃるような状況で、状況の認識はそのとおりだと、私から見てもそうだと思います。
その一方で、先ほど、麻生大臣に地域金融機関の再編ということをお尋ねしましたけれども、そこには、地域のいわゆる銀行だけじゃなくて、さまざまな金融関係の商品サービスを行っている業界もあるわけですよ。今の金利環境とかにおいては、今の状況においては、本業である銀行業務において利益が生み出せない、こういう苦境の中で、業種を超えた、業態を超えた再編といったことも、これは地域の金融機関として当然考えていかなければならないことじゃないか、これも民間の自主的な判断でありますが、と私なんかは認識しているんですけれども、黒田総裁、御見解があればお願いしたいと思います。
○黒田参考人 この点は、日本銀行の仕事の範囲というか、権限の分野ではないと思いますけれども、もとより、地域金融機関の活動が地域経済にどのような影響を与えるか、それから、地域金融機関も金融政策の重要なチャネルの一つでありますので、その動向については深い関心を持って注視をしているわけでございます。
地域金融機関の再編の動きにつきましては、先ほど麻生大臣からお話がありましたように、基本的にそれぞれの金融機関の自主的な判断によるというふうには思いますけれども、委員御指摘のように、さまざまな状況のもとで地域経済が変化しておりますので、そのもとで、いろいろな業態を超えた経営の連携であるとか経営の統合であるとか、その他さまざまな動きがあっておかしくないというふうに思っております。
また、最近、フィンテックという言葉が流行しておりますけれども、こういった新しい金融のテクノロジーを使って、従来の銀行と違った形で金融サービスを提供するという動きも出ておりまして、そういったことを踏まえますと、委員御指摘のような、これまでの合併であるとか統合ということだけでなく、さまざまな選択肢をそれぞれの金融機関において検討されて、それが最もその地域に適切であり、かつ、その地域の金融機関にとって好ましいという形を模索して進んでいただきたいというふうに思っております。
○重徳委員 最後に麻生大臣と黒田総裁からそれぞれ御答弁いただきたいと思うんですけれども、今の超低金利あるいはマイナス金利の状況において、民間金融機関はもうこれ以上の条件で貸せないというところまで来ているわけなんですけれども、そこにおいてもなお今、政府系金融機関がそれなりの存在を見せているわけなんです。
これは、金融庁が出されている平成二十七事務年度金融レポートによりましても、企業がメーンバンクに求めるものとして、金利条件がいいということ以上に、長年のおつき合いがあるとか信頼関係とか支店が近いとか、一般的に見れば、より身近な、金融機関とのいい関係をつくっていいビジネスをしたい、こういう思いを持っている企業が多い。
こういうデータもある中で、政府系金融機関のあり方、これはもう必要ないんじゃないかとか民業圧迫だとかいう議論はずっと前から議論があるところなんですが、現時点、どのように見ておられますでしょうか。
○麻生国務大臣 基本的に国策金融機関、いわゆる政策金融機関というのは、これは民業補完というのが基本ですから。したがいまして、それに伴って、事業再生とか創業支援とか災害対応を含めましていろいろ、公益性が高いとか、また、民間の金融機関のみでは対応ができないというような分野において、金融的な手法というのによって政策目的の達成を目指しているというのが基本だと思っております。
例えば政策金融公庫、昔のいわゆる中小企業金融公庫、国民金融公庫、これが合併して今は日本政策金融公庫と言うんですが、これにおきましても、民間金融機関からの融資というものの呼び水の効果を見込んで、いわゆる、資本性の劣後ローンなんというのを実施する等々の、民間機関の補完とか協調を進めております。
いずれにしても、この種の政策金融機関におきましては、引き続いて民業補完というものの原則のもとにして、政策上の必要な業務というものが確実にかつ的確に実施されるようにというのが、基本として対応させていきたいと思っております。
○黒田参考人 私どもも、政府系金融機関というか政策金融機関というのは、あくまでも民業を補完するという役割であるというふうに認識をいたしております。
そうしたもとで考えますに、リーマン・ショック後の世界的な大不況のもとで日本経済も非常な影響を受け、金融機関も影響を受けたわけでありまして、そうしたもとで政府系金融機関が非常に補完する立場で大きく活躍していただいたということは評価していいと思いますが、他方で、世界的な不況というものも克服され、世界経済全体として回復しておりますし、日本経済も緩やかな回復軌道に乗っておるという状況で金融機関も十分機能しておりますので、そうしたもとでは当然のことながら、政府系金融機関の役割というのも、基本は変わらないんですけれども、現象的に見ますと縮小していくということにはなっていると思いますので、民業圧迫ということでなく、民間の金融機関の機能を補完するという役割を十分果たしておられるというふうに評価しております。
○重徳委員 ありがとうございました。
地域金融機関はみんな頑張っていますので、ぜひ応援できるようにしていきたいと思っております。どうぞまた、よろしくお願いします。