○北村委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 民進党の重徳和彦です。
テーマは、乳製品、乳業といったテーマでございます。きょうは、乳は乳でも、ミルクはミルクでも乳児用液体ミルクについて、それから乳製品でありますバターにかわるマーガリンに含まれるトランス脂肪酸について議論させていただきたいと思います。
乳児用液体ミルク、最近話題になっております。海外にはあるのに、先進国はほとんどあるのに日本にはないと言われておりまして、これは、一般社団法人乳児用液体ミルク研究会の代表であられます末永恵理さんが、ネットで署名活動を行い、二月の時点で四万件以上署名が集まっている、今はもっと集まっていると思いますが、それから、かなり詳細なアンケート調査もやっておられまして、一万件以上のアンケートへの回答が集まっている、こういう状況でございます。
この件については、自民党の金子めぐみ衆議院議員あるいは大沼みずほ参議院議員といった若手の、私たち世代の、私よりももっと若い世代の議員さん方が中心になって取り組んでおられます。ここへ来てようやく動きが出てきたというふうにも伺っておりますので、内容についてお伺いできればと、私も推進派の一人として、ぜひ、その状況をお聞きしたいというふうに思っております。
アンケートをざっと見ますと、粉ミルクのかわりに日常的に使いたいという方よりも、外出をするとき、やはり大変ですよね。粉ミルクですと、お湯もポットで持っていって、つくらなきゃいけない。そして、ちょっと冷まして、与えて、哺乳瓶はまた消毒をしなきゃいけないとか、本当に手間がかかりますので、子育て世代が外出できないというようなことにもつながってくる問題であります。また、夜中の授乳も大変ですし、まして、親が体調不良のときなんかにも非常にニーズがあると思います。それから、赤ちゃんを何らかの理由で預かる場合とか、そういう場合にも液体ミルクというものがあったらいいなと。
ちょっと値段も高いと聞いておりますが、アンケートの感覚ですと、二百円以内ぐらいで買えるといいなというような希望が寄せられている、こんな状況だと受けとめております。
それで、まず、これは厚生労働省にお聞きしますけれども、G8先進各国では、この乳児用液体ミルク、製造、普及していると聞いておりますが、本当に日本だけないという状況なんですか。それから、日本には液体ミルクがないという、この原因は、理由はどういうところにあるんでしょうか。
○北島政府参考人 お答えいたします。
先進国、欧米各国には普及していると伺っておりますけれども、どこの国にあるのかないのかという詳細は把握していないところでございます。
一つ、日本にはないということでございますけれども、今、規格基準が設定されていないという段階でございます。規格基準の設定につきましては、通常、事業者からの要望や、食中毒の発生など社会的な情勢を踏まえまして検討を行っております。
こうした中で、乳児用液体ミルクにつきましては、平成二十一年の四月に、一般社団法人日本乳業協会より食品衛生法に基づく規格基準の設定について要請がありました。これを受けまして、同年四月及び八月には、薬事・食品衛生審議会乳肉水産食品部会において審議を行うとともに、規格基準設定の検討に必要となる微生物の増殖や保存性等のデータの提供を事業者に求めております。
しかしながら、事業者からは、乳児を対象とする食品のため、安全性、保存性、栄養成分等について慎重な検討が必要であり、厚生労働省へのデータ提出については相当の時間を要するとの説明がなされております。
厚生労働省といたしましては、事業者からデータが提出され次第、速やかに薬事・食品衛生審議会で審議を行うとともに、食品安全委員会に健康影響評価を依頼するなど、乳児用液体ミルクの規格基準の設定に向けた作業を進めてまいりたいと考えております。
なお、事業者における必要となるデータの収集が迅速化されることを期待いたしまして、本年三月三十一日に、乳肉水産食品部会を開催し、常温で流通する牛乳に関する現在の規格基準等を参考に、液体ミルクの規格基準のイメージを提示し、必要となるデータ等について既に議論を行っているところでございます。
○重徳委員 資料を配付しております。これは東京新聞の記事でありますけれども、この液体ミルクですね、特にその有用性が広まったのは、一番下のところに記述があります、熊本地震のときにフィンランドから五千本、被災地に運び込まれて、大変助かったという声が上がったということであります。
このときは災害ですから、日本の食品衛生法の適用を受けない救援物資として輸入したということでありますが、そもそも輸入ということは可能なんでしょうか。
○北島政府参考人 営業等で使用される輸入食品につきましては、国内で製造される食品と同様に、食品衛生法に基づく規格基準等に適合する必要がございます。
海外で流通している乳児用液体ミルクにつきましては、「乳飲料」に該当すると考えられ、その場合は、乳飲料に関する成分規格や製造基準、使用添加物等の規制に適合すれば輸入可能であると考えております。
○重徳委員 これは、実際の消費者ニーズとの関係もあります。民間の業者の判断ということになりますけれども、乳飲料の基準に合致すれば可能ということでありますから、こういった輸入の可能性についても検討するべきじゃないかなというふうに思います。そうする中で、輸入するような状況になってきたら、実際、消費者ニーズを見きわめることもできるし、国産品の製造をどのように進めていくかという判断にもつながっていくと思うんですね。さまざまな可能性を模索していただきたいと思いますが、まず、何といっても、国内のメーカーが開発し、製造、販売につなげていくということが大事だと思います。
先ほど北島部長から、乳肉水産食品部会において規格基準のイメージというものをお示しになったという話がございました。今後、どのぐらいのスケジュールで開発そして販売にまでつながっていくと想定されていますか。課題もいろいろあると思いますが、あわせて御答弁いただければと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。
一般社団法人日本乳業協会によりますと、開発の課題といたしまして、製品の長期保管を想定した微生物汚染防止に必要となる適切な容器の形状、材質等の選択や、乳児用食品として高いレベルでの安全、安心の確保、そして品質面で避けることが難しい色調、沈殿、成分含量や風味の変化への対応などが挙げられております。
また、事業者からは、乳児を対象とする食品のため、安全性、保存性、栄養成分等について慎重な検討が必要であり、厚生労働省へのデータ提出については相当の時間を要するとの説明を受けております。
厚生労働省といたしましては、今後、団体から提出されるデータ等を踏まえまして、薬事・食品衛生審議会における審議、食品安全委員会による食品健康影響評価、パブリックコメント、WTO通報等の手続を行う必要があり、各省庁と連携の上、規格基準の設定に向けまして迅速に取り組んでいきたいと考えております。(重徳委員「どのぐらい」と呼ぶ)データが提出され、そして食品安全委員会の諮問をするというところから、通常では、急いでも大体一年近くかかっているところでございますが、できるだけ迅速に進めてまいりたいと考えております。
○重徳委員 いろいろ課題もあるということですから、通常と同じようにいくかどうかも、これは慎重にというか、しっかりとしたデータに基づいた製品化が必要だと。この重要性は私も認識をしておりますので、そうはいいながら、できるだけ迅速に、世のママさん、パパさんも含めて、子育て世代を全力で応援していただきたいというふうに思っております。
それで、ここで、きょうは男女共同参画の担当の石原副大臣にもお越しいただいておりますので、今後、国内メーカーが製造開始、普及するに当たって、課題を、今、北島部長からもかなり詳細にございましたので、今後どんな主な課題があると石原副大臣として認識されているか。
それから、ぜひ、これは、私は初当選来、少子化社会に対して、少子化というのは本当に寂しい言葉ですから、子供を産みたい、育てたいと誰もが思えるような温かい地域社会づくり、そういう国づくりというものが必要だと、子供がふえていくという字を書いて、増子化社会を目指していこうということを申し上げているところでございます。国にとって一番大事な課題だと思います。
そういったことからしても、子育てには苦労はつきものだなんて、もちろん諸先輩方からは言われることもあるわけですが、しかし、やはり、子育てがつらいとか、本当に負担ばかりだ、こういう思いからは、あらゆる手を尽くしてそういったものは取り除いていかないと、子育て世代を応援できない。少子化がさらに進んでしまう。そういう意味で、待ったなしだと思います。スピード感を持って取り組むべきだと思いますが、石原副大臣の御所感をお願いします。
○石原副大臣 子育て支援と男女共同参画の担当の副大臣としてお答え申し上げます。
まず、そもそも、液体ミルクに関して、政府の重要政策会議の一つである男女共同参画会議において、昨年十月、災害時や働く母親たちへの支援、男性の育児参加を進める上でも、乳児用液体ミルクが有用であるとの有識者議員からの問題提起がなされました。これを受けて、同会議に設置された男性の暮らし方・意識の改革に関する専門調査会において関係者からヒアリングを行うなど、液体ミルクの普及に向けた調査検討を行ってきたところであります。
本年二月には、本件の課題や今後の対応方針について認識を共有し、連携を深めるために、厚生労働省も含めて、関係省庁や業界団体、地方公共団体と意見交換を行う会合を開催させていただきました。本会合において、事業者団体から、仮に製品化された場合、消費者が使用する際には粉ミルクと違う取り扱いが必要になることから、製品の品質保持に関する情報提供や活用事例等に関して行政に支援をしていただきたいとの意見があったというふうに承知をしているところであります。
内閣府としては、実際に普及することになった際、消費者が安心して乳児用液体ミルクを使用することができるように、こうした意見をしっかりと踏まえて、関係省庁とも連携しながら、必要な取り組みを引き続き推進してまいりたいというふうに考えております。
○重徳委員 ありがとうございます。
今、石原副大臣の御答弁の中で、やはり災害時にも有用だということが有識者から指摘されたという言葉がありました。
そこで、最後に、海外から輸入することも食品衛生法の基準を満たせば可能だということがありました。現時点ではまだ課題がある、ハードルがあるかもしれませんが、それにしても、今後も含めて、行政による災害備蓄というものを行うということも進めることで、さらに普及が広がるということもあるんだと思いますが、これもこれで課題があるんでしょうか。政府としてのお考えをお聞かせください。
○緒方政府参考人 お答えいたします。
内閣府といたしましては、避難所におきます良好な生活環境の確保に向けた取組指針を通じまして、指定避難所におきましては、あらかじめ応急的に必要と考えられる食料、飲料水の備蓄に努めていくことなどを自治体に対しまして助言をしてきております。
液体ミルクにつきましては、お湯などが不要であるために、熊本地震におきましても利用されまして、子育て家庭におきまして利便性が高かったといったふうな声もあったと承知をいたしております。
その一方で、液体ミルクにつきましては、現時点では国内では商品として流通しておらず、また、液体ミルクの消費期限が比較的短いといったこともございまして、避難所での備蓄としては必ずしも効率的ではない面もあるというふうに認識をいたしております。
いずれにいたしましても、避難所の備蓄をどうしていくかにつきましては、自治体におきまして判断していくことでございまして、内閣府としましては、液体ミルクにつきまして、国内での商品化の動向とか、災害で活用されました実績、課題も踏まえまして、機会を捉えまして周知をしていきたいと考えております。
○重徳委員 ありがとうございます。
次の話題に移りたいと思います。
バター不足とちょっとひっかけまして、バターが不足すればマーガリン、マーガリンはその昔は動物性のバターよりも植物性であって体にいいんだなんということが言われていたことがあった、私の子供のころなんかはそう言われていたと記憶しております。
しかし、近年では、むしろ、マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれていて、これが健康に悪影響があるという研究結果が出されています。これは、液体ミルクも日本だけないという状況のようですけれども、トランス脂肪酸の規制だとか、あるいはせめて食品表示をすべきだということに対しましても、日本には何のルールも、何のというか、ルールはないんですね。こういうことに対しての問題意識を申し上げたいと思います。これまでも再三、我が党でいうと大西健介議員も消費者問題特別委員会などで指摘をしていることでございます。
資料を添付しました。これは内閣府食品安全委員会の食品健康影響評価の結果であります。
ここには、諸外国における研究結果としまして、「トランス脂肪酸の過剰摂取は、冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)を増加させる可能性が高い。肥満、アレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎等)について、関連が認められた。妊産婦・胎児への影響(胎児の体重減少、流産等)について、報告されている。」ということであります。
「ただし、」とありまして、「これらは平均的な日本人よりトランス脂肪酸の摂取量が多いケースの研究」、つまり諸外国の研究であって、日本はちょっと違うよということが書いてあるんですね。
具体的には、「日本人の大多数はWHOの目標を下回っている。」と。WHOの目標というのは、トランス脂肪酸摂取を総エネルギー摂取量の一%未満とするという基準ですが、通常の食生活ではこの目標を下回っているということから、健康への影響は小さいというふうな一つの結論でしょうね。「ただし、脂質に偏った食事をしている人は、留意する必要あり。」と、これはちゃんと書いてあるわけですね。だから、要するに人によるということであります。
それから、いわば不健康な食事をしている人が留意すべきだということに加えて、やはり、消費者意識が高い、そういう日本人はたくさんおられますので、子供のため、あるいは今妊娠をされている妊産婦の方は、非常に食べ物には注意しながら、気をつけながら暮らしているわけであります。そういう方々にとって、知る権利というものが満たされない、選択肢、選択する権利というんですか、これを損ねているんじゃないかというふうに思うんです。
理由は、理屈はこういう紙にも書いてあるし、今まで再三、各委員会での議事録を見ても私も確認しておりますが、理由は、理屈はいいんですが、この消費者の知る権利、選択する権利、これを損ねているんじゃないかということについてどのようにお考えか、御答弁願います。
○吉井政府参考人 お答えをいたします。
消費者庁では、食品表示法に基づく食品表示制度におきまして、必要な栄養成分表示を新たに義務化する仕組みを構築したところでございます。
その際、消費者委員会食品表示部会の栄養表示に関する調査会、ここでの議論を経まして、栄養成分表示の義務化に当たりましては、消費者における表示の必要性、それから事業者における表示の実行可能性、さらに国際整合性、この三点全てを満たすこととされたところでございます。
トランス脂肪酸につきましては、これらの点を満たしていないということから、現在、義務表示とはしていないものでございます。
しかしながら、消費者庁では、消費者が食品を適切に選択し、栄養バランスのとれた食生活を営む観点から、平成二十三年二月に、「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針について」という文書を発出させていただきました。食品事業者に対しまして、トランス脂肪酸を含む脂質に関する情報を自主的に開示するよう要請をしているところでございます。
さらに、消費者庁では、パンフレットでございますが、「栄養成分表示を活用しよう」というものを作成いたしまして、消費者庁のホームページでも公表しておりまして、トランス脂肪酸を初めとする栄養成分表示につきまして、消費者への普及啓発に努めているところでございます。
○重徳委員 知る権利、選択する権利を、まあ任意ではあるけれども通知という形で示している、こういう御答弁なんですかね。
しかし、状況はやはりどんどん変わってきていて、アメリカでは来年から禁止するという状況にもなってきていますが、この辺、詳細をお答えください、北島部長。
○北島政府参考人 お答えいたします。
米国食品医薬品庁、FDAは、心血管系疾患のリスクを低減するため、トランス脂肪酸の削減を目的として、二〇一五年六月に、トランス脂肪酸が多く含まれる部分水素添加油脂、マーガリンやショートニングの原料でございますけれども、これについて、二〇一八年以降は、食品に使用するためにはFDAの承認を新たに必要とすることを決定したと承知しております。
このFDAによる規制の対象は、トランス脂肪酸そのものではなく、部分水素添加油脂でございまして、また、新規にFDAに承認申請し、認められれば使用可能となるものと承知をしております。
○重徳委員 いろいろ条件はもちろんあるわけでありますけれども、いずれにしても、承認がなければ製造、販売ができないということでありますから、日本とはえらい状況が違うんですよね。
これは、これまで、ここ二、三年の間、いろいろな議員さんからこの問題については提起をされています。通常の食生活では健康への影響が少ないという答弁でありますけれども、しかし、その都度その都度、これは消費者庁担当の歴代大臣が、それなりの、最後は、現状はこうだけれども今後消費者委員会の議論も見ながら検討したいんですということは、森まさこ大臣とか山口俊一大臣、歴代消費者担当の大臣がおっしゃって、その日の委員会の質疑を締めくくるという、最後は何となく前向きな雰囲気だけ出して質疑が終わるから、大体各議員は、では大臣、期待していますからよろしくお願いしますと言って、一年たち、二年たち、三年たつんですよ。
こういう状況でありますので、私自身の質疑への答弁ではないものの、各議員に対して歴代大臣がそうおっしゃっているわけですから、その後の状況はどうかということについてお尋ねします。どうでしょうか。
○吉井政府参考人 お答えをいたします。
先生御指摘のとおり、消費者の方々へ栄養成分表示の適切な情報提供の必要性というものはあるものと認識をしております。
国会での審議等も踏まえまして、平成二十七年七月に、当時の山口消費者担当大臣からの指示も受けまして、「栄養成分表示を活用しよう」というパンフレットを、これは十数ページに及ぶものでございますけれども、作成させていただきました。
このパンフレットでは、三大栄養素である、たんぱく質、脂質、炭水化物を過不足なく摂取することであるとか、あるいは、バランスのよい食生活となるよう栄養成分表示を活用することなど、また、特にトランス脂肪酸につきましては、一回に使用する量で見ると、各食品に含まれる平均的な含有量は減少傾向にあり、微量であること、あるいは、日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量はWHO勧告の目標値を下回っていること、そういう状況ですが、クッキーやスナックなどの菓子を多量に食べていると、トランス脂肪酸も目標値を超える場合があり、そのような食生活は見直してほしいといったような注意喚起等々につきまして、解説をしているところでございます。
このパンフレットにつきましては、平成二十八年に、都道府県や消費者関係団体等に普及啓発をお願いする文書を発出するとともに、消費者庁ホームページにも掲載をいたしまして、自由にダウンロードし、活用できるようにしているところでございます。
また、本年度には、消費者がみずから食生活に応じた適切な食品の選択ができるよう、栄養成分表示等に関する消費者教育の実証事業を実施することとしております。
消費者庁といたしましては、今後とも、消費者の自主的かつ合理的な食品の選択ができるように、栄養成分表示の普及啓発を図ってまいりたいというふうに考えております。
○重徳委員 いろいろそれなりの御努力はされているということは認めますが、やはり、飽和脂肪酸については、これは食品表示の義務じゃないけれども推奨するという位置づけなんですね。これは内閣府令で定められています。しかし、トランス脂肪酸はそれより低い位置づけで、今御答弁あったような、指針を出しているとか通知を出している、こういうレベルなんですよね。
ちょっと確認ですが、トランス脂肪酸、大分消費者の皆さん方からも指摘を受けている、このトランス脂肪酸のように、健康に影響があるという研究結果がたくさん出ていて、でも、今、今というか、ここ数年間ずっと言われているような類似の理由で、表示義務もない、推奨もされない、そういう食品の成分、物質というのはほかにあるんですか。トランス脂肪酸だけですか。
○吉井政府参考人 お答えをいたします。
先ほども御説明いたしましたけれども、食品表示法に基づく栄養成分表示につきましては、消費者における表示の必要性、事業者における表示の実行可能性等々の三つの、一定の条件を満たすものにつきまして義務表示とさせていただいております。
トランス脂肪酸以外に、こうした観点を考慮して任意表示となっている成分につきましては、糖類、コレステロール、ビタミン、ミネラル類がございます。
○重徳委員 ちょっと何となくアバウトな答弁だったような感じがしますが、トランス脂肪酸、これだけ健康への影響があるという研究結果が出ているということと同様のものかどうか。今ちょろっと言及のあった糖類などについてとトランス脂肪酸というのは全然違うと思うんですけれども、これはまた時間があったらちょっとやりとりさせていただきたいと思います。
最後に、せっかく農水委員会なものですから、大臣に、やはり食の安全、これは農水省として極めて重要な話であります。農薬だとか化学物質などなど、いろいろな側面から農水省も取り組んでおられると思いますが、このトランス脂肪酸、こういったことまで視野を持って、余り縦割り行政じゃなくて、ぜひ山本大臣にも、この辺、認識をいただいて、応援をしていただきたいと思うんですが、大臣の御答弁を求めます。
○山本(有)国務大臣 私も、健康に障害になる常識と非常識というのはあるような気がしてなりません。
戦後、アスベストについては、誰も被害について懸念する人はなくて、石綿と言って工業製品として、また建築用材としてさんざん使われたわけであります。しかし、今は、これが絶対に使ってはならない禁止物質になりました。
そのことを考えていきますと、やはり、科学の進展や原因究明によって健康被害というのは明らかになる場合があるという謙虚な姿勢を持たなきゃならぬと思っております。
私も、乳業メーカーに、マーガリンとバターの生産についての懸念について、マーガリンというのはトランス脂肪酸があると指摘をされているがという問いをいたしました。そうしますと、やはり、アメリカの影響か、今の市場ではマーガリンの需要が減っているというような話もはっきりおっしゃっておられましたし、今だんだんにそうした食育についての、あるいは健康被害についての知識が非常に詳細になってきているというように思っております。
そんな意味で、食品の安全確保に関する規制を所管する厚生労働省、表示に関する規制を所管する消費者庁など、関係省庁と連携して、安全な食品の安定供給に取り組んでまいりたいというように思っております。
○重徳委員 大変力強い御決意だったと思います。
消費者庁は消費者のための消費者庁ですから、消費者意識の喚起から、それからいろいろなルール整備も、もっと積極的にやっていただきたいと思います。どちらかというと生産者側に従来近かった農水省も、そういったところまで視野を広げて施策に当たっていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。